PRINTED ELECTRONICS ASSOCIATION プリンテッド・エレクトロニクス研究会

PEヘッドライン一覧

2011/10/01 No.34-44(2011年10月-2012年5月)

 

 

●PolyIC、LEONHARD KURZ Stiftung & CO. KG と共同でフィルム型タッチセンサーを開発 (PolyICプレスリリースより)

2011年10月17日

ドイツ、PolyICは、親会社であるドイツLEONHARD KURZ Stiftung & CO. KG と共同でフィルム型タッチセンサーを開発した。このフィルム型タッチセンサーは、PolyIC社の透明導電フィルムPolyTCとLEONHARD KURZのフィルム技術を組み合わせて実現した。

http://www.polyic.com/read.php?page=469&l1=5&l2=&l3

 

●University of CaliforniaのDavid S. Hechtら、「Solution-process」による透明導電膜の作製技術を紹介(MRS Bulletinより)

2011年10月20日

米国、University of CaliforniaのDavid S. Hechtらは、「Solution-process」による透明導電膜の作製技術を紹介した。本記事には、カーボンナノチューブ、ITOナノワイヤ、グラフェンによる透明導電膜作製技術が記載されている。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409236

 

●Trinity College DublinのSukanta Deら、ナノ物質で作製された透明導電膜のパーコレーションに関してレビュー (MRS Bulletinより)

2011年10月20日

アイルランド、Trinity College DublinのSukanta Deらは、金属酸化物に代わる透明導電膜の材料として、カーボンナノチューブ、グラフェン、金属ナノワイヤなどを挙げ、それらのナノ物質で開発された透明導電膜の総説を発表した。金属ナノワイヤ透明導電膜は、パーコレーションを生じやすく、高導電性の透明導電膜になる。しかし、商品化の前には、コストや生産可能性、安定性を考える必要がある。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409257

 

●University of MarylandのLiangbing Huら、金属ナノ格子、ナノワイヤ、ナノファイバーによる透明導電膜の作製技術を紹介(MRS Bulletinより)

2011年10月20日

米国、University of MarylandのLiangbing Huらは、ナノマテリアルによる透明導電膜の作製技術を紹介した。

本記事には、①高透明・高導電性の確保が容易な金属ナノ格子、②低コスト生産が実現できる銀、銅ナノインク、③金属ナノファイバーによる透明導電膜作製技術が記載されている。

http://dx.doi.org/10.1557/mrs.2011.234

 

●Unidym, Inc.のChunming Niu、CNTを用いた透明導電膜の総説を発表 (MRSBulletinより)

2011年10月20日

アメリカ、Unidym, Inc.のChunming Niuは、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた透明導電膜の総説を発表した。透明導電膜作製に重要なCNTインクの分散方法と最近の動向について解説している。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409242

 

●PolyICのJasmin Woerleら、金属格子を用いたロール・トゥー・ロールによる透明導電膜の作製技術を紹介 (MRS Bulletinより)

2011年10月20日

ドイツ、PolyICのJasmin Woerleらは、金属格子を用いたロール・トゥー・ロールによる透明導電膜の作製技術を紹介した。金属格子を用いた透明導電膜は、ロール・トゥー・ロール生産することで、大面積・高速生産を可能とし経済性が優れ、高透明性と高導電性が実現できる技術である。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409254

 

●Cambridge UniversityのAndreas Elschnerら、PEDOT:PSSインクで作製された透明導電膜について総説を発表 (MRS Bulletinより)

2011年10月20日

アメリカ、Cambridge UniversityのAndreas Elschnerらは、PEDOT:PSSインクで作製された透明導電膜について総説を発表した。特に、PEDOT:PSSの化学的特性および機械的特性について議論している。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409245

 

●National Institute of Standards and TechnologyのEric N. Dattoliら、ITOナノワイヤ・ナノ粒子を用いた透明導電膜の総説を発表 (MRS Bulletinより)

2011年10月20日

ドイツ、National Institute of Standards and TechnologyのEric N. Dattoliらは、ITOナノワイヤ・ナノ粒子を用いた透明導電膜の総説を発表した。ITOは透明導電膜として最も広く応用されている材料であるが、フレキシブルデバイス用の

透明導電膜としては機械的特性が劣っている。本総説では、この問題についてITOナノワイヤ・ナノ粒子による解決手法についてまとめた。

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8409239

 

●University of California Los AngelesのYang Yangら、TiO2ナノ粒子とPEDOT/PSSを用いた銀ナノワイヤ透明導電膜を作製 (ACS Nanoより)

2011年10月28日

米国、University of California Los AngelesのYang Yangらは、TiO2ナノ粒子とPEDOT/PSSを用いた銀ナノワイヤ透明導電膜を作製した。銀ナノワイヤの接点に自己凝集したTiO2ナノ粒子が銀ナノワイヤ間の接触を促進し、高導電性の銀ナノワイヤ透明導電膜が作製された。さらに、PEDOT/PSSが銀ナノワイヤ透明導電膜の密着性を向上させた。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn203576v?mi=uyd9ah&af=R&pageSize=20&searchText=Au+nanowire

 

●National Tsing-Hua University のYuan-Li Huangら、エレクトロスパンPA66ナノファイバー上にグラフェンを自己凝集させ、透明導電膜を作製 (Nanotechnologyより)

2011年11月4日

台湾、National Tsing-Hua University のYuan-Li Huangらは、エレクトロスピニングで作製したポリアミド66(PA66)ナノファイバーの膜へグラフェン酸化物溶液を塗布し、350℃で加熱して透明導電膜を作製した。グラフェン酸化物溶液を塗布すると、PA66ナノファイバーへグラフェン酸化物が自己凝集する。この自己凝集が、導電ネットワークの形成準備として、たいへん有効である。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/47/475603

 

●Research Institute for Technical Physics and Materials Science のLaszlo Peter Biroら、グラフェンを利用したアプリケーションをレビュー (Nanoscaleより)

2011年11月11日

ハンガリー、Research Institute for Technical Physics and Materials ScienceのLaszlo Peter Biroらは、グラフェンのパターニング技術とアプリケーションについてレビューした。材料科学的なトップダウン法と化学的なボトムアップ法の利点を組み合わせて、よりグラフェンの潜在能力が利用できる。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/nr/c1nr11067e

 

●Karlsruhe Institute of TechnologyのSubho Dasguptaら、インクジェット印刷法により室温で無機酸化物FETを作製 (ACS Nanoより)

2011年11月11日

ドイツ、Karlsruhe Institute of TechnologyのSubho Dasguptaらは、インクジェット印刷法により無機酸化物FETを作製した。このFETは、In2O3ナノ粒子の半導体部と、固体高分子電解質で構成され、室温プロセスで作製可能である。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn202992v

 

●Seoul National UniversityのByung Hee Hongら、グラフェンで透明なヒーターを作製 (Nano Letters より)

2011年11月14日

韓国、Seoul National UniversityのByung Hee Hongらは、化学気相蒸着で銅箔上にグラフェンフィルムを形成し、透明なヒーターを作製した。このヒーターは、ドーピングと転写を繰り返した多層グラフェンで構成され、機械的ひずみを4%まで与えてもヒーター性能に影響はなく、従来のITOベースのヒーターより到達温度が高い。作製したグラフェンフィルムのシート抵抗は43W/□、透過率は89%だった。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl202311v

 

●Thinfilm、印刷メモリ内蔵の玩具開発キットを発売 (Thinfilmプレスリリースより)

2011年11月16日

ノルウェー、Thin Film Electronics ASA は自社の印刷メモリを内蔵した玩具開発キットをオンラインで販売した。印刷メモリが内蔵されたカードと駆動回路を有したリーダ/ライタ装置がセットになって49ドルである。

http://www.thinfilm.se/news/press-releases/281-thinfilm-and-inventables-offer-arduino-powered-development-kit

 

●Hanyang UniversityのJongryoul Kimら、電気分解法により合成した銅ナノ粒子のインクジェット印刷で銅配線を作製 (Thin Solid filmsより)

2011年11月19日

韓国、Hanyang UniversityのJongryoul Kimらは、電気分解法で平均粒径15nmの銅ナノ粒子を合成し、インクジェット印刷により銅配線を作製した。電解液の温度およびpH、還元剤などを調整して銅ナノ粒子を合成した。両親媒性の界面活性剤を利用した水溶媒銅ナノ粒子インクを、ポリイミド基板上にインクジェット印刷した。還元雰囲気、230 ˚Cで加熱すると、体積抵抗率5.4 mWcmの銅配線が得られた。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040609011019894

 

●Institute for Energy TechnologyのHenrik Hoeyerら、カーボンブラック粒子を糸状に整列させひずみゲージを作製 (Applied Physics Lettersより)

2011年11月22日

ノルウェー、Institute for Energy TechnologyのHenrik Hoeyerらは、電場を制御してカーボンブラック粒子を糸状に整列させ、ゲージファクター150のひずみゲージを作製した。このひずみゲージは、UV硬化性樹脂をマトリクスとし、0.1vol%のカーボンブラック粒子で作製した。

http://apl.aip.org/resource/1/applab/v99/i21/p213106_s1

 

●Korea Electrotechnology Research InstituteのGeon-Woong Leeら、化学ドーピングしたグラフェンフィルムからフレキシブル電界放出デバイスを開発 (Smallより)

2011年11月22日

韓国、Korea Electrotechnology Research InstituteのGeon-Woong Leeらは、還元型グラフェン酸化物フィルムをポリマー基板に熱溶着したエミッターを用いて電界放出デバイスを作製した。さらに、アルミニウムをドーピングしたエミッターにドーピングしたエミッターは高い電界放出特性を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201101696/abstract

 

●Yonsei UniversityのJooho Moonら、低温溶液プロセスによる金属酸化膜トランジスタの総説を発表 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年11月22日

韓国、Yonsei UniversityのJooho Moonらは、低コストで機能的な電子アプリケーションに活用できる金属酸化膜トランジスタの総説を発表した。プラスチック基板に対応する低温プロセスによる金属酸化膜半導体の発展、及び焼成温度の低温化に向けたアプローチについて説明した。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14452a

 

●DuPont Electronics and Communications、高導電性スクリーン印刷用銀インクを開発 (DuPont Electronics and Communicationsプレスリリースより)

2011年11月22日

アメリカ、DuPont Electronics and Communicationsは、高導電性スクリーン印刷用銀インク“DuPont 5064H”を開発した。この銀インクは、現在入手可能なスクリーン印刷用銀インクの中で最も導電性が高く、低コストである。さらに、この銀インクは、PET・PEN・ポリイミド・紙などの様々な基板に印刷可能である。

http://www2.dupont.com/MCM/en_US/news_events/article20111122.html

 

●Johannes Kepler University LinzのMihai lrimia-Vladuら、天然顔料であるインディゴを用いて両極性有機電界効果トランジスタを作製 (Advanced Materialsより)

2011年11月23日

オーストラリア、Johannes Kepler University LinzのMihai lrimia-Vladuらは、バランスのとれた電子、ホール移動度を有し、大気中で劣化しない両極性インディゴを用いてトランジスタを作製した。このデバイスは、天然顔料であるインディゴをキャストして製造した生分解性であるため、環境調和型エレクトロニクス技術への貢献が期待される。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201102619/abstract

 

●OLED100.eu、大面積有機EL照明を開発 (Fraunhoferプレスリリースより)

2011年11月23日

ヨーロッパの企業15社、6カ国の研究機関からなる研究プロジェクトOLED100.euは、有機発光ダイオード(OLED)を用いた、9つの33 × 33 cm2の有機ELタイルで構成される大面積有機EL照明器具を開発した。消費電力は60 lm/Wと一般的な省エネランプよりも効率的で、無機LEDの寿命に匹敵する10万時間の長寿命である。

http://www.ipms.fraunhofer.de/en/news/press/2011-11-23.html

 

●Stanford UniversityのZhenan Baoら、伸縮性・フレキシブル透明電極に向けてフッ素系界面活性剤添加PEDOT:PSSフィルムを開発 (Advanced Functional Materialsより)

2011年11月25日

アメリカ、Stanford UniversityのZhenan Baoらは、フッ素系界面活性剤を添加したPEDOT:PSSフィルムを作製した。フッ素系界面活性剤を添加するとPEDOT:PSSフィルムのシート抵抗は、35%向上した。このフィルムを電極として用いた有機太陽電池は、ITOを用いたものと同等の変換効率を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101775/abstract

 

●トッパン・フォームズ、電子ペーパーラベル小型化 (日刊工業新聞より)

2011年11月28日

トッパン・フォームズはカードサイズの「無線書き換え型バッテリーレス電子ペーパーラベル」を2012年春に販売する。開発品は、初期モデルに比べて約70%小型化され、サイズは54×85mm、厚さは平均1.3mmである。従来用途の物流コンテナなどのほか、スーパーの他なの店頭表示など幅広い活用法が期待される

 

●三重大学など、折り曲げ可能な二次電池開発 (日刊工業新聞より)

2011年11月29日

三重大学など産学官連携のプロジェクトチームは、薄いシート型で折り曲げられ、安全性も高い「次世代全固体ポリマーリチウム二次電池」の試作品開発に成功した。開発品は、厚さ1.2mm、作動電圧は7.2ボルトであり、有機ELや電子ペーパーなどのプリンタブルエレクトロニクス分野や、電気自動車向けの電池としての応用が期待される。

 

●Kodak、透明導電膜を用いた抵抗膜方式タッチパネルを発表 (Printed Electronics Worldより)

2011年11月30日

アメリカ、Kodakは、透明導電膜を用いた抵抗膜方式タッチパネルをPrinted Electronics USA 2011で発表した。導電性高分子PEDOT/PSSを紫外線キュアと加熱処理した、この透明導電膜はシート抵抗225Ω/□を示した。この透明導電膜は、ヘイズ比が低いため、完全にパターンが見えない特徴を持つ。

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/breakthrough-in-transparent-conductive-films-00003959.asp

 

●Thinfilm、印刷メモリの大量生産に向けてPolyeraと提携 (Thinfilmプレスリリースより)

2011年11月30日

ノルウェー、Thinfilmとアメリカの半導体インク会社Polyeraは、有機半導体メモリの大量生産に向けて技術提携した。今後は、Thinfilmの印刷メモリ技術と、Polyeraの半導体インク技術を統合したCMOSタイプの印刷メモリを開発していく。

http://www.thinfilm.se/news/press-releases/283-thinfilm-and-polyera-partner-to-bring-printed-cmos-memory-to-market

 

●University of Massachusetts DartmouthのPaul Calvertら、CNT/PEDOT:PSSコンポジットを用いたフレキシブルな透明導電膜をEL素子に応用 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年12月1日

アメリカ、University of Massachusetts DartmouthのPaul Calvertはら、PET繊維の布基板で作製した透明導電膜をEL素子に応用した。透明導電膜は、カーボンナノチューブ溶液をPET繊維布へディップコートし、導電性ポリマー(PEDOT:PSS)をインクジェットコーティングして作製した。

 

●Max Planck Institute for Polymer ResearchのDoris Vollmerら、ロウソクのススを透明で丈夫な超両嫌媒性コーティングに応用 (Scienceより)

2011年12月1日

ドイツ、Max Planck Institute for Polymer ResearchのDoris Vollmerらは、ロウソクのススから透明で丈夫な超両嫌媒性コーティング膜を作製した。両嫌媒性とは、水にも油にも馴染まない性質のことである。ポーラス構造を持つロウソクのススを25nm厚みのシリカシェル上に塗布した。作製した膜はシラン化すると超両嫌媒性を示し、砂を衝突させて膜にダメージを与えても超両嫌媒性を維持していた。

http://www.sciencemag.org/content/early/2011/11/30/science.1207115

 

●Heliatek、有機薄膜型太陽電池で最高効率9.8%を達成 (Heliatek社プレスリリースより)

2011年12月5日

ドイツ、Heliatekは、変換効率9.8%、面積1.1cm2の有機薄膜太陽電池セルを開発したと発表した。この値は、有機薄膜太陽電池セルとして最も高い変換効率である。

http://www.heliatek.com/?p=1346&lang=en

 

●University of Notre DameのPrashant V. Kamatら、半導体ナノ粒子を用いた印刷太陽電池を作製 (ACS Nanoより)

2011年12月6日

アメリカ、University of Notre DameのPrashant V. Kamatらは、半導体ナノ粒子を用いた印刷太陽電池を作製した。CdS・CdSe・TiO2の半導体ナノ粒子からなるペーストをFTOガラス透明導電膜に塗布し200 ºCで加熱処理した。光電変換は、グラフェン-Cu2Sの対電極と半導体ナノ粒子の間で起こり、その変換効率は1%以上を示した。(tok)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn204381g

 

●National Taiwan UniversityのWen-Yen Chiuら、よく伸びて、フレキシブルな導電性PEDOT:PSSコンポジットを開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年12月6日

台湾、 National Taiwan UniversityのWen-Yen Chiuらは、PEDOT:PSSから伸縮性と導電性を有するPEDOT:P(BA-St)、及びPEDOT:PSS-PBAを開発した。PEDOT:P(BA-St)、及びPEDOT:PSS-PBAの導電率は、それぞれ63Scm-1、300Scm-1であり、透過率は、93%、80%である。(Jo)

http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/Ktek20wkNb8/C2JM15689J

 

●JPCA PE基板の規格部会、プリンテッドの普及を加速 (半導体産業新聞より)

2011年12月7日

JPCA(日本電子回路工業会)は「プリンテッドエレクトロニクス基板規格部会」を発足し、キックオフ会合を開催した。JPCAではPEの実用化のプロセス技術も確立しつつあることから、PE産業基板の標準化に着手する。部会長に大阪大学 菅沼克昭教授が就任。規格策定に当たって、JPCA及び米国IPC両団体合意のもと共同・ダブルロゴで規格化を進め、数種の規格策定を予定している。

 

●産総研の大谷ら、絶縁体基板表面へのグラフェンの吸着機構を解明 (産総研プレスリリースより)

2011年12月7日

産業技術総合研究所の大谷らは、グラフェンと酸化シリコン基板の相互作用を詳細に調べ、特定の電子構造を持つ酸化シリコン表面上において、グラフェンが非常に強く基板に吸着されることを発見した。これにより、これまで未解明であった、剥離法による酸化シリコン表面上でのグラフェン生成機構の一部が明らかとなった。なお、本研究成果は、2011年12月6日に米国のワシントンD.C.での「International Electron Device Meeting 2011」において発表された。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20111207/pr20111207.html

 

●Nanyang Technological UniversityのChang Ming Liら、オール印刷でプラスチック基板上に高性能フレキシブルエレクトロニクス用カーボンナノチューブfinFETを開発 (Advanced Materialsより)

2011年12月9日

シンガポール、Nanyang Technological UniversityのChang Ming Liらは、CNTインクを95 ºCで90分加熱し、PBS基板へ転写することで、finFET(field-effect transistor)を作製した。作製したトランジスタの移動度とオンオフ比は、それぞれ27 ± 10 cm 2 V−1 s−1と102 – 104 であった。(cjkim)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103674/abstract

 

●North Dakota State UniversityのErik K. HobbieらCNTフレキシブル透明導電フィルムの電気的耐久性を評価 (ACS Nanoより)

2011年12月11日

アメリカ、North Dakota State UniversityのErik K. Hobbieらは、金属性と半導体性を持った単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)の機械的柔軟性と電気的特性を評価した。金属性の単層カーボンナノチューブ塗布膜は透明で、優れた機械的特性と導電性を兼ね備えていた。(yskim)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn204383t

 

●韓国のETRI、ハイブリッドCuペーストの国産化に成功 (韓国電子通信研究院[ETRI] 研究開発報道NEWSより)

2011年12月12日

韓国、ETRIは、Cu粒子と接着剤を混合したCuペーストの国産化に成功した。このペーストは既存の還元剤を用いることなく金属表面の酸化膜を除去できるので、Cu粒子周りを効果的に保護し、高信頼性が得られる。国産化により、従来のAgペーストの費用を半分程度節約でき、今後、様々な産業領域で適用ができると期待されている。(park)

http://www.etri.re.kr/etri/not/not_0101010000.etri?type=view&b_idx=13025

 

●Chinese Academy of SciencesのJianwen Zhao 、Zheng Cuiら、化学修飾SWCNTインクをエアロゾルジェット印刷したTFTを作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年12月12日

中国、Chinese Academy of SciencesのJianwen Zhao 、Zheng Cuiらは、化学修飾した単層カーボンナノチューブ(SWCNT)水性インクをエアロゾルジェット印刷し、高性能薄膜トランジスタを作製した。作製した薄膜トランジスタは、高移動度(1 cm2 V-1 s-1)と良好なオンオフ比(103以上)を示した。更に、このトランジスタは、ヒステリシスフリーであり、低電圧で動作可能である。(cjkim)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14773k

 

●住友化学 有機太陽電池を2012年にも発売 (半導体産業新聞より)

2011年12月14日

住友化学は開発中の有機薄膜太陽電池を2012年にも市場投入する事を明らかにした。インクジェット印刷技術などの有機EL開発で培った技術を応用し、有機薄膜太陽電池の開発を進めている。開発中の有機薄膜太陽電池は、チオフェン系のp型ポリマーとフラーレン誘導体を組み合わせたバルクへテロ構造で、基板には軽量&フレキシブルなプラスチックフィルムを用いている。(sato)

 

●Kyung Hee UniversityのHan-Ki Kim ら、インクジェット印刷でInZnSnOの透明導電膜を作製 (Solar Energy Materials & Solar Cellsより)

2011年12月16日

韓国、Kyung Hee UniversityのHan-Ki Kim らは、InZnSnOナノ粒子インクをインクジェット印刷し、透明導電膜(シート抵抗:20.6Ω/□、透明度:81.29%)を作製した。この透明導電膜を用いた印刷有機太陽電池は、0.81%の変換効率を示した。(cjkim)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0927024811006775

 

●ベルギーIMECとFlamacが太陽電池用新材料の開発で提携 (IMECプレスリリースより)

2011年12月21日

ベルギーのIMECとベルギーの研究センターFlamacは、CIGS太陽電池に代わる新たな太陽電池に向けた新規半導体材料の開発に関して提携した。より効率的で安価なプロセスな太陽電池技術を実現するため、印刷技術を取り入れて新材料の開発に取り組む。(cow)

http://www2.imec.be/be_en/press/imec-news/flamacen.html

 

●JPCA PEの規格部会が発足、米IPCと共同歩調 (半導体産業新聞より)

2011年12月21日

日本電子回路工業会(JPCA)は「プリンテッドエレクトロニクス(PE)基板規格部会」(部会長:菅沼克昭氏=大阪大学産業科学研究所教授)の会合を開催すると発表した。IPC(米国電子回路協会) と連携してPEの国際標準化を積極的に推進する事を確認し、早ければ2012年JPCA ShowにてIPCと合同国際カンファレンスなどを開催する予定である。(sato)

 

●Chinese Academy of SciencesのYunqi Liuら、コーヒーリングリソグラフィを用い、グラフェンパターンを作製 (Advanced Materialsより)

2011年12月21日

中国、Chinese Academy of SciencesのYunqi Liuらは、コーヒーリング効果を利用して、インクジェット印刷で1- 2 umと長いチャンネル長のグラフェン電極を形成した。この電極を用いて、移動度0.2 cm2 V-1 s-1のOTFTsが作製できた。(cjkim)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103620/abstract

 

●伸縮性基板上のPEDOT : PSS透明導電性フィルムの電気的特性を評価 (Chemistry of Materialsより)

2011年12月22日

アメリカ、Stanford UniversityのZhenan Baoらは、表面処理したPDMS伸縮性基板へスピンコートでPEDOT:PSS透明電極フィルムを作製し、伸長時や伸縮時の電気的特性を評価した。UVオゾン処理したPDMS基板、および1%のゾニールフルオロ界面活性剤を添加したPEDOT:PSS水懸濁液を用いて作製された透明導電性フィルムは、50%ひずみまで抵抗値変化が少なく、10%から30%未満のひずみでは繰り返し特性に優れていた。(yskim、tpe)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cm203216m

 

●Ghent UniversityのJonas Feys、Isabel Van Driesscheらは、水溶媒を用いたYBCO導電性コートとパターンのインクジェット印刷技術を開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年12月22日

ベルギー、Ghent UniversityのJonas Feys、Isabel Van Driesscheらは、YBCO(YBa2Cu3O7)コートおよびパターンをインクジェット印刷する技術を開発した。この処理により、酸化ストロンチウム(SrTiO3)基板上にYBCOを連続的にコートすることが可能となった。さらに、均質なプロファイルのパターンが作製できた。(park)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14899k

 

●Samsung Electronics、POSTECH、Gachon University、インクジェット印刷法でハイブリッド薄膜トランジスタを開発 (ACS NANOより)

2011年12月23日

韓国、Samsung Electronics、POSTECH、およびGachon Universityは共同で、「polymer semiconductor」と「single-walled carbon nanotube」を組み合わせた薄膜トランジスタをインクジェット印刷法で作製した。作製したハイブリッドのトランジスタは0.23 cm2 V–1 s–1の移動度を示した。 (cjkim)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2041472

 

●Chung-Ang UniversityのSung Kyu Parkら、インクジェット印刷法により有機単結晶トランジスタアレイを作製 (Advanced Materialsより)

2011年12月23日

韓国、Chung-Ang UniversityのSung Kyu Parkらは、表面エネルギー、インク液滴の体積密度、及び溶媒の蒸発挙動を制御することにより、インクジェット印刷法による低分子有機単結晶トランジスタを作製した。この作製方法により大面積エレクトロニクスに向けた高密度アレイの実現が期待される。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103032/abstract

 

●Singapore Institute of Manufacturing Technology(SIMTech)ら、印刷技術でヒーター付き輸血バックを作製 (Plastic Electronicsより)

2011年12月23日

シンガポール、SIMTechは、HISAKA Holding Ltd.とZphyr Silkscreen Co. Pte Ltd.と共同で、ヒーター付き輸血バッグを印刷技術により作製した。この輸血バッグは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷技術を用いてロールトゥーロールプロセスで製造された。 (tok)

http://www.plusplasticelectronics.com/healthwellbeing/printed-electronic-heaters-warm-blood-bags-42702.aspx

 

●Case Western Reserve UniversityのLiming Daiら、有機太陽電池に向けた高結晶性低バンドギャップポリマーを作製 (Advanced Materialsより)

2011年12月23日

アメリカ、Case Western Reserve UniversityのLiming Daiらは、同一平面上に主鎖と側鎖のエチレン架橋ユニットが存在する高結晶性の低バンドギャップポリマーであるEI-PFDTBTを作製した。EI-PFDTBTとPC71BMをスピンコートで混合した太陽電池の光変換効率は、5.1%を示した。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103623/abstract

 

●Technical University of DenmarkのFrederik C.Krebsら、有機太陽電池の安定性に関して総説を発表 (Advanced Materialsより)

2011年12月29日

デンマーク、Technical University of DenmarkのFrederik C. Krebsらは、近年、効率と安定性が指数関数的に発展している有機太陽電池に関する総説を発表した。総説は、有機太陽電池の安定性を主題とし、安定性向上に寄与したバルクヘテロ構造の使用、光安定な材料の選択、界面層の導入、およびロール・ツー・ロール作製などの研究報告を取り上げている。(tpe)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104187/abstract

 

●EPFLのJoo Yeon Kimら、インクジェット印刷法でマイクロレンズアレイを作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年1月4日

スイス、EPFL(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne)のJoo Yeon Kimらは、光硬化型の無機有機ハイブリット樹脂をガラス基板上へドット状にインクジェット印刷し、マイクロレンズアレイを作製した。また、基板の濡れ性を制御し、マクロレンズの直径や厚さを変化させ、焦点距離や開口数を制御した。この作製技術は、フォトリソグラフィの代替技術として、CCDやSPADアレイの光学系に応用できる。(tpe)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c2jm15576a

 

●University of Illinois at Urbana-ChampaignのJennifer A.Lewisら、室温で優れた導電性が得られる反応性銀インクを開発 (Journal of the Chemical American Society)

2012年1月5日

USA、University of Illinois at Urbana-ChampaignのJennifer A. Lewisらは、印刷後、溶媒を自然乾燥させるのみで、優れた導電性が得られる反応性銀塩インクを開発した。Tollensプロセスを改良して作製した反応性銀インクの初期状態では、銀粒子は存在していないが、印刷後、室温で乾燥さることで銀が形成され、104 S/cmの導電性が得られる。また、90 ˚Cで15min焼結することで銀バルクと同等の導電性(6.25×104 S/cm)が得られる。さらに、この反応性銀インクは、ポリイミド、ガラス、セルロース基板との密着性にも優れている。(saka)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja209267c

 

●Pohang University of Science and TechnologyのTae-Woo Leeら、グラフェン透明導電膜上に高発光効率フレキシブル有機EL素子を作製 (Nature Photonicsより)

2012年1月10日

韓国、Pohang University of Science and TechnologyのTae-Woo Leeらは、高仕事関数と低抵抗を有したグラフェン透明導電膜上に、高発光効率を有するフレキシブル有機EL素子(緑色蛍光有機EL素子、白色蛍光有機EL素子、緑色燐光有機EL素子)を作製した。いずれの有機EL素子も、ITO透明導電膜上に作製したものよりも高い発光効率を示した。(tok)

http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/abs/nphoton.2011.318.html#/affil-auth

 

●Henkel Electronic Materials 、新組成の導電性接着剤を開発 (Henkel Electronic Materialsプレスリリースより)

2012年1月10日

ドイツ、Henkel Electronic Materialsは、新組成の導電性接着剤(ABLESTIK ICP-3535M1)を開発した。開発品は、3,000時間の高温高湿試験または3,000サイクルの熱衝撃試験後も、安定した接触抵抗と良好な機械的特性を維持していた。(cow)

http://www.henkel.com/Electronics-News-25534-34396.htm

 

●Peter-Grünberg-InstitutのMayerら、高集積クロスジャンクションの印刷技術を開発 (Advanced Functional Materialsより)

2012年1月10日

ドイツ、Peter-Grünberg-InstitutのMayerらは、ナノインプリント・リソグラフィ法とソフトリソグラフィ法を組み合わせることでフォトリソグラフィより電極のサイズが10-100倍小さく、解像度が4桁も高い金属電極を作製した。(cjkim)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101925/abstract

 

●Amazon.com、電子ブックリーダー「キンドル」用太陽電池付きカバー筐体を発表 (Printed Electronics Worldより)

2012年1月11日

アメリカ、Amazon.comはラスベガスで開催されたConsumer Electronic Showで、電子ブックリーダー「キンドル」用の太陽電池付きカバー筐体を発表した。この太陽光でキンドル本体を1時間充電すると、キンドルでの読書がおよそ3日間可能である。また、このカバー筐体にはLEDライトとバッテリーが内蔵されているため、暗い場所でも読書ができる。(tok)

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/solar-powered-kindle-00004073.asp

 

●SIJテクノロジ、超微細インクジェットヘッド組込みユニットを販売 (SIJテクノロジプレスリリースより)

2012年1月12日

SIJテクノロジは、世界最少クラスの液滴が吐出可能な「超微細インクジェットヘッド組込みユニット」を1月18日より発売すると発表した。同製品は、導電インクや絶縁インクなど様々な材料を世界最少サイズの液滴で吐出可能なディスペンサである。(cjkim)

http://www.sijtechnology.com/jp/news/index.html

 

●Samsung Advanced Institute of TechnologyのYun-Kyuk Choiら、ガラス基板上に高導電性銅配線を作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年1月13日

韓国、Samsung Advanced Institute of TechnologyのYun-Kyuk Choiらは、ガラス基板上に高導電性の銅配線を作製した。ギ酸銅錯体をベースにしたインクは粘度を5000-1000 cPの範囲で変えられる。さらに、このインクにエチルセルロースを添加すると、ガラス基板と電極の密着性が向上した。印刷した配線をギ酸雰囲気下・250 ˚Cで加熱すると、8×10-6 μΩcmの体積抵抗率を示した。(tok)

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2012/JM/c2jm15124c

 

●Samsung Advanced Institute of TechnologyのYun-Hyuk Choiら、プラスチック基板上で高密着性を有した銅ペーストフィルムを開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年1月13日

韓国、Samsung Advanced Institute of TechnologyのYun-Hyuk Choiらは、ギ酸銅(II)四水和物とへキシルアミン溶媒で銅ペーストを作製した。銅ペーストを大気中で250℃、1分間焼結した後、ギ酸雰囲気下で5分間還元処理をすると、8μΩcmの最も低い体積抵抗率を示した。さらに、銅ペーストにエチルセルロースを添加すると、ガラス基板との密着性が大きく向上した。(cow)

http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/cG_HoABylUI/C2JM15124C

 

●Seoul national universityのBynghee Hongら、Samsungと透明グラフェンヒーターの開発を促進 (韓国毎日経済(MK)ニュースより)

2012年1月16日

韓国のSeoul national universityのBynghee Hong及びSungkyunkwan university、Jae Boong Choiのグループは、ロール・ツー・ロール印刷技術方法を用いた透明でフレキシブルな高性能ヒーターを開発した(PEヘッドラインNo.34掲載)。現在、彼らのグループは韓国Samsungとロール・ツー・ロールを用いたグラフェン量産化研究を行っており、自動車用ガラスなどへの応用を検討している。(park)

http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2012&no=36062

 

●HolstcenterとIMEC、次世代のフレキシブルOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ開発に向けて提携 (Holstcenterプレスリリースより)

2012年1月17日

オランダ、Holstcenterとベルギー、IMECは、次世代のフレキシブルOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイに向けての新たな研究プログラムを開始した。具体的には、フレキシブルアクティブマトリックス有機ELディスプレイの量産化に取り組む。(cow)

http://www.holstcentre.com/en/NewsPress/PressList/Flexible_OLED_Displays.aspx

 

●田中貴金属工業、紫外線で電子回路を形成できる銀インクの販売を開始 (田中貴金属工業プレスリリースより)

2012年1月17日

田中貴金属工業は、紫外線(UV)による照射のみで、電子回路配線を形成することができる導電性銀インクを製品化し、販売開始することを発表した。この導電性銀インクは、基材に印刷後、UVを約0.3秒間照射することで、瞬時に回路を形成でき、導通させることができる。膜厚は5 μm以上、電気抵抗率は10-3 Ωcmである。(saka)

http://pro.tanaka.co.jp/topics/fileout.html?f=62

 

●KAISTのLeeら、化学反応速度の調整で粒径を制御し、低温焼結可能な銅ナノ粒子を作製 (Nanotechnologyより)

2012年1月17日

韓国、KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)のLeeらは、pHと粘性を調整して、150℃以下で焼結可能な銅ナノ粒子を開発した。高いpHは微細な核生成と核成長の低速度化をもたらし、高い粘度は粒子同士の反発力を増加させる。粒径9nmの銅ナノ粒子インクは、120℃の焼結で45μΩの体積抵抗率であった。(tpe)

http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/6/065601

 

●タツモが30lm/Wの無機ELパネル、塗布法で作製 (日経Tech-On!より)

2012年1月18日

液晶パネル製造装置大手のタツモは、塗布プロセスで作製した発光効率が30lm/Wの無機ELパネルを開発することに成功した。補助照明や衣服の電飾などへの展開を想定して開発を進めている。 (cow)

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120118/203719/?ref=ML

 

●ICMAB-CSICのCampoy-Quilesら、有機半導体の蒸気印刷法を開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年1月19日

スペイン、ICMAB-CSICのCampoy-Quilesらは、蒸着後に蒸気を用いて有機薄膜の光学電気的特性を調整する新しい印刷法を開発した。この印刷法は、局所的に有機膜に低濃度有機溶媒をさらす印刷機を用いる。(yskim)

http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/sUxojs2iC70/C2JM15190A

 

●Tufts UniversityのFiorenzo G. Omenettoら、シルクベースの生分解性食品センサを開発 (AdvancedMatreialsより)

2012年1月20日

アメリカ、Tufts UniversityのFiorenzo G. Omenettoらは、蛋白質ベースの絹基板上にメタマテリアルアンテナアレイが並んだ食品センサを開発した。このセンサは、マイクロ•ナノレベルで物体に密着するため、物体の状態変化を調査・監視できる。また、生分解性であり食用の物質で構成されているため、ヘルスケアや食品市場へ応用できる可能性がある。(cow)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103814/abstract

 

●North Carolina State UniversityのYong Zhuら、カーボンナノチューブが波状に並んだ伸縮性導体を作製 (Advanced Materialsより)

2012年1月23日

アメリカ、North Carolina State UniversityのYong Zhuらは、カーボンナノチューブ(CNT)が波状に並んだ伸縮性導体を作製した。著者らは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)基板上にCNTを直線状に整列させた。PDMS基板をCNTの長軸方向に伸ばした時にCNTは基板上をスライドし、基板を縮ませた時にCNTは基板と共に縮んだ。その結果、CNTが波状に並んだ伸縮性導体が作製された。(tok)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103382/abstract

 

●Chinese Academy of SciencesのDongfeng Xueら折り畳み構造のグラフェンペーパーを開発 (Advanced Materialsより)

2012年1月24日

中国、Chinese Academy of SciencesのDongfeng Xueらは、高圧ホモジナイザーと熱還元を組み合わせて、新たなグラフェンペーパー作製法を開発した。作製したグラフェンペーパーは、リチイムイオン電池や超コンデンサ用の電極として使用すると、従来のflow-directed assembly法で作製したグラフェンペーパーに比べて、はるかに高い特性を示した。 (cow)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104691/abstract

 

●PragmatIC Printing、PEに関するパイロット製造ラインを計画 (PragmatIC Printingニュースリリースより)

2012年1月26日

イギリス、PragmatIC Printingは、The Printable Electronics Technology Centre (PETEC)合意のもとでPEに関するパイロット製造ラインを稼働する計画を発表した。インプリントでロジック回路などの生産を目指し、2012年第4期までに運用開始する予定である。(tpe)

http://www.pragmaticprinting.com/userfiles/file/PPL%20CPI%20PR%20120126.pdf

注: PETEC はJ. Mack Robinson CollegeとGeorgia Research Allianceの間で設立された研究組織であるCentre for Process Innovation (CPI)の関連機関である。

 

●Freiburg Materials Research CenterのRolf Mülhauptら、添加剤なしのグラフェン分散法を開発 (Advanced Functional Materialsより)

2012年1月26日

ドイツ、Freiburg Materials Research CenterのRolf Mülhauptらは、界面活性剤や添加物を加えることなくグラフェンを分散させる方法を開発した。分散法を利用したグラフェンペーストは、3D-microextrusionに基づいた印刷プロセスで配線パターンを作製できる。 (cow)

http://dx.doi.org/10.1002%2Fadfm.201102888

 

●CEAのVincent Deryckeら、湿式法で単一層グラフェンからフレキシブルなトランジスタを作製 (Nano Lettersより)

2012年1月27日

フランス、French Alternative Energies and Atomic Energy Commission(CEA)のVincent Deryckeらは、プラスチック基板上に単一層グラフェンを湿式法で形成し、フレキシブルなトランジスタを作製した。トランジスタの電流利得遮断周波数は2.2 GHzであり、電力利得遮断周波数は550MHz である。また、トランジスタを曲げた際にも、周波数特性は安定した。 (tpe)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl203316r

 

●University of MichiganのAnthony Grbicら、直接転写パターニング法で3次元ドーム状小型アンテナを作成 (Advanced Materialsより)

2012年1月31日

アメリカ、University of MichiganのAnthony Grbicらは、金属配線をドーム状の基板へ直接転写する技術を開発した。この転写法で作成した小型アンテナは、非常に高い効率性を示した。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104290/abstract

 

●Blue Spark Technologies, Inc.、フレキシブル印刷電池の大量生産を開始 (Blue Spark Technologies, Inc.プレスリリースより)

2012年1月31日

アメリカの薄型印刷電池会社Blue Spark Technologies, Inc.は、ウィスコンシン州に大規模な生産施設を開設し、カーボン亜鉛電池の大量生産を行うと発表した。RFIDなどのプリンテッドエレクトロニクス分野への応用を目指す。(cow)

http://www.bluesparktechnologies.com/index.php/news-a-events/latest-news/138-january-31-2012

 

●富士フイルム、Ag配線のマイグレーションを抑制可能な表面処理剤を開発 (Tech-On! より)

2012年1月31日

富士フイルムは、タッチパネルや太陽電池、LED照明など幅広い分野で使われているAg配線向けに、短絡の原因となるマイグレーションを抑止する表面処理剤を開発した。同社が加速試験を実施したところ、未処理の材料と比べてマイグレーションを1/30~1/40まで抑制できていることを確認した。(saka)

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120131/204191/?ST=device&ref=rss

 

●信越ポリマー、銀ナノワイヤ透明タッチパネルを開発 (信越ポリマープレスリリースより)

2012年1月31日

信越ポリマーは、Cambrios社製銀ナノワイヤインクを用いて、曲面形状対応や大型パネル(15インチ)に最適な透明導電膜を開発した。同透明導電膜は、光線透過率が91%、表面比抵抗が80Ω/□、ヘイズは1%で、大型パネルでも優れた操作性や透明性を示す。今年4月までに10万枚/月の生産体制を整える予定。 (saka)

http://www.shinpoly.co.jp/ir/release/2012/20120131.html

 

●Cambrios Technologies社、Samsung Venture Investment社より500万ドルの出資 (Cambrios Technologies社プレスリリースより)

2012年1月31日

銀ナノワイヤインクの開発で有名なCambrios Technologies社は、新たに韓国Samsung Venture Investmentから500万ドルの出資を受けたことを明らかにした。Cambrios社は今回の出資を受けたことにより、従来以上にSamsungグループの企業との協業が増えると見込んでおり、携帯機器のタッチパネルのほか、有機ELパネルでの透明導電膜の採用などに期待している。(saka)

http://www.cambrios.com/214/LeMoncheck_Release.htm

 

●凸版印刷の喜名修、フレキシブルディスプレイを実現する印刷技術と商品展開について解説 (月刊ディスプレイ2月号より)

2012年2月1日

凸版印刷の喜名修は、フレキシブルディスプレイ背面版に用いる有機TFTの印刷法による形成技術について解説した。

マイクロコンタクト印刷と光アシスト印刷を中心とした最近の成果を取り上げている。(inu)

 

●Polyera、印刷太陽電池で光変換効率9.1%を達成 (Polyeraプレスリリースより)

2012年2月1日

アメリカ、Polyeraは、半導体材料ActivInk®PV2000を用いたポリマー/フラーレン型のバルクヘテロジャンクション構造有機太陽電池で光変換効率9.1%を達成した。単純な印刷プロセスと十分に低い温度処理で作製できるため、PETやPENのような安価なプラスチック基板へ適応できる。(cow)

http://www.polyera.com/newsflash/polyera-achieves-world-record-organic-solar-cell-performance

 

●日油、導電性インキ市場へ参入 (化学工業日報より)

2012年2月1日

日油は、有機銀化合物のコロイド溶液からなる銀インキを開発した。導電性インキで先行している銀ペーストのようにバインダーを含まないため、導電性が高いのが特徴である。インクジェット印刷などで銀ペーストの代替を狙い、太陽電池や一部の半導体の回路形成を中心にサンプルワークを開始する。(cow)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/02/01-5251.html

 

●Eastman Kodak Co.と Heraeus Precious Metals GmbH & Co. KG、PEDOTを使ったタッチスクリーン透明導電フィルムを開発 (Heraeusプレスリリースより)

2012年2月3日

アメリカ、Eastman Kodak Co. とドイツ Heraeus Precious Metals GmbH & Co. KGは、携帯電話やタブレットデバイス用透明導電フィルムを開発した。Clevios™が開発したPEDOT系導電ポリマーを利用して、Kodak HCF-225 Film/ESTAR™基板上に導電パターンを作製した。(cow)

http://clevios.com/media/webmedia_local/media/home/downloads/Kodak_and_Heraeus.pdf

 

●Dong-A UniversityのKun Songら、TIPS-PENをインクジェット印刷で有機TFTを開発 (Microelectronic Engineeringより)

2012年2月3日

韓国、Dong-A UniversityのKun Songらは、6,13 – ビス(トリイソプロピルシリレチニル)ペンタセン(TIPS-PEN)をインクジェット印刷して有機薄膜トランジスタ(有機TFT)を作製した。基板の加熱と吐出液滴の相対位置を変えることで、有機TFTの性能が改善した。大気中で基板温度46℃の時に、ソースドレイン電極間の電荷キャリア移動度は、0.4 ± 0.08 cm2/Vsを示した。(cow)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167931712000135

 

●University of CaliforniaのQibing Peiら、双安定性巨大ひずみアクチュエーションのための柔軟性銀ナノワイヤ・ポリマー複合電極を作製 (Advanced Materialsより)

2012年2月3日

アメリカ、University of CaliforniaのQibing Peiらは、銀ナノワイヤ・ポリマー複合材料を用いて10Ω/□、140%歪みでも102-103Ω/□の低シート抵抗を有する新しい電極を作製した。この電極とbistable electroactiveポリマーを組み合わせることにより、電気的に誘起された可逆的な歪み緩和が引き起こされる。(Jo)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104101/abstract;jsessionid=D4EAB1B68B18F218FD57772A2C73760F.d01t02

 

●Stanford UniversityのMark L. Brongersmaら、光照射により銀ナノワイヤ接点を溶接する技術を開発 (Nature Materialsより)

2012年2月5日

アメリカ、Stanford UniversityのMark L. Brongersmaらは、光照射により銀ナノワイヤ接点を溶接する技術を開発した。銀ナノワイヤのネットワークに光を照射すると、銀ナノワイヤ接点部が局所的に加熱され、銀ナノワイヤ同士が接合された。この技術は、熱に弱いプラスチック基板やポリマー太陽電池に適用可能である。(tok)

http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/abs/nmat3238.html

 

●タムラ製作所、回路パターンを絶縁保護する透明インクを開発(日刊工業新聞より)

2012年2月7日

タムラ製作所は、タッチパネルの液晶画面上に形成した回路パターンを絶縁保護するインクジェット印刷用の透明インクを開発した。このインクは、UV照射で硬化するため、熱に弱いプラスチック基板にも対応できる。(cjkim)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120207bjac.html

 

●大阪大学の能木雅也ら、高透明・低熱膨張の「透明な紙」を開発 (産経新聞より)

2012年2月7日

大阪大学の能木雅也らは、2009年Advced Materialsに発表した「透明な紙」を更に進化させた透明な紙を開発した。今回開発した透明な紙は、以前の製造プロセスよりシンプルで、更に透明性や機械的な特性を向上させたものである。(cjkim)

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120207/wlf12020707060000-n1.htm

 

●National Electronics and, Computer Technology CenterのAdisorn Tuantranontら、グラフェン-PEDOT:PSSを印刷してバイオケミカルセンサを開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年2月8日

タイ、National Electronics and, Computer Technology CenterのAdisorn Tuantranontらは、インクジェット印刷したグラフェン-PEDOT:PSSを用いてバイオケミカルセンサの感度を向上させた。グラフェンとPEDOT:PSSのコンポジット材料を、スクリーン印刷で作製した炭素電極上にインクジェット印刷した。この炭素電極を用いたセンサの感度は3-13倍に向上した。(tok)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c2jm14005e

 

●東レ、電子ペーパー用CNT透明導電フィルムの量産化技術を開発

2012年2月9日

東レは、世界で初めて2層カーボンナノチューブ(2層CNT)を用いた透明導電フィルムの量産化技術を確立した。今回量産化技術を確立したCNT透明導電フィルムは、90%以上の高い光透過率と実用的に十分な導電性を高いレベルで両立したものである。(inu)

http://www.toray.co.jp/news/rd/nr120209.html

 

●New University of LisbonのCésar A. T. Laiaら、酸化タングステン水和物ナノ粒子のインクジェット印刷 (Applied Materials & Interfacesより)

2012年2月9日

ポルトガル、New University of LisbonのCésar A. T. Laiaらは、金属タングステンを前駆体とし、ソル・ゲル法でタングステン酸化物のナノ粒子を作製した。このナノ粒子をフレキシブル電極上にインクジェット印刷し、固体エレクトロクロミック素子を作製した。 (yskim)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/am201606m?prevSearch=printed%2Belectronics&searchHistoryKey

 

●フジクラ、回路間隔を従来比3分の1に細くした配線板を開発 (日刊工業新聞より)

2012年2月10日

フジクラは、回路と回路の間隔を従来比3分の1程度に細くした配線板を開発し、ポリエステルフィルム基材などに導電インクを印刷して回路を形成した。これにより、回路線幅を30μmまで微細化しながら、従来の回路ピッチ200μmを60μmまで狭めることに成功した。重ね印刷の位置合わせ精度は±50μmである。(saka)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120210bjae.html

 

●産業技術総合研究所の吉田学ら、フレキシブルフィルム上にUHF-RFIDアンテナを印刷形成 (産総研プレスリリース)

2012年2月13日

産業技術総合研究所の吉田学らは、太陽ホールディングス株式会社と共同で、フレキシブルフィルム上にアルミニウムや銅のUHF-RFIDアンテナを印刷形成した。太陽ホールディングスが開発したアルミニウムペーストや銅ペーストをフレキシブルフィルム上に印刷し、加圧焼成処理を適応して、パターン表面を大気中で導電化した。(tok)

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120213_2/pr20120213_2.html

 

●National Cheng-Kung UniversityのWeng-Sing Hwangら、硝酸銀水溶液インクのインクジェット印刷でマイクロパターン形成 (J. Phys. Chem. Cより)

2012年2月13日

台湾、National Cheng-Kung UniversityのWeng-Sing Hwangらは、硝酸銀水溶液インクをガラス基板上にインクジェット印刷し、マイクロサイズのアレイやラインを形成した。ガラス基板上に印刷された配列パターンの不安定な拡散特性は、溶質濃度と基板の温度によって支配され、液滴乾燥時に硝酸銀の結晶化によるものであることを明らかにした。90℃に予熱したガラス基板上へ印刷した場合、詳細なパターンが得られ、ライン幅90μmでライン間隔が40μm のパターンを作製できた。(tpe)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp209523w

 

●大阪大学の竹谷純一ら、塗布法で作製した有機TFTを用いた液晶ディスプレイの駆動に成功 (NEDOプレスリリースより)

2012年2月14日

NEDOプロジェクトの一環として、大阪大学の竹谷純一らは、塗布法で作製した有機TFTを用いて、液晶ディスプレイの駆動に成功した。液晶ディスプレイの作製に利用した有機TFTは、典型的な塗布型有機TFTの性能0.1-1 cm2/Vsを1桁も上回る10 cm2/Vsの移動度を有する。そのため、液晶ディスプレイの高解像度化を実現した。(cjkim)

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100087.html

 

●コニカミノルタIJ、プリンテッド・エレクトロニクス用途初、微小液滴・高精度インクジェットヘッドを開発 (コニカミノルタIJプレスリリースより)

2012年2月14日

コニカミノルタIJは、プリンテッド・エレクトロニクス向けに液滴1plで吐出できる高精度インクジェットヘッドを開発し、今春よりサンプル販売を開始する。シリコンMEMS技術を用いたことで、微小液滴の吐出が可能な微細ヘッド構造(38mm幅、1列、128ノズル)の開発に成功した。(saka)

http://www.konicaminolta.jp/about/release/2012/0214_01_01.html

 

●共同印刷、太陽電池・タッチパネル向け導電性フィルム開発 (日刊工業新聞より)

2012年2月14日

共同印刷は微細化した回路パターンを印刷できる太陽電池やタッチパネル向けの導電性フィルムを開発した。回路線幅25μmまで微細化が可能。2月中にサンプル出荷を始め、2012年度中の販売を目指す。開発した「導電性パターンフィルム」は0.2μmと薄いため、印刷やコーティング、成型、貼り合わせなど、さまざまな加工方法に対応できる。(saka)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120214bjad.html

 

●阪大の竹谷グループNEDOプロジェクト、nanotech award 2012(プロジェクト部門)を受賞 (NEDOプレスリリースより)

大阪大学の竹谷純一教授が研究代表者のNEDOプロジェクト「革新的な高性能有機トランジスタを用いた薄型ディスプレイ用マトリックスの開発」が、nanotech award 2012( プロジェクト部門)を受賞した。同賞は、nano tech2012(国際総ナノテクノロジー総合展・技術会議)出展者を対象に斬新かつ先駆的な技術を分野ごとで顕彰し、優秀出展者を表彰するものである。技術詳細は、2012年2月14日NEDOプレスリリース記事を参照。(nogi)

http://www.nedo.go.jp/ugoki/ZZ_100101.html

http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/jp/operation/images/hot_topics/h20120227.pdf

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100087.html

 

●KAISTのTaek-Soo Kimら、新規転写法にむけ、銅基板上で成長させた単層グラフェンの付着エネルギーを測定 (Nano Lettersより)

2012年2月15日

韓国、KAISTのTaek-Soo Kimらは、銅基板とその基板上に成長させた単層グラフェンの付着エネルギーを二重片持ちはり試験で測定した。試験より付着エネルギーが0.72 ±0.07 J m-2と判明し、エッチングプロセスのない機械的な引き剥がし法で単層グラフェンの転写に成功した。(tpe)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl204123h

 

●National Tsing Hua UniversityのPo-Wen Chiuら、透明導電アプリケーションに向けた金属フリーのナノグラフェン成長法を開発 (Advanced Functional Materialsより)

2012年2月17日

台湾、National Tsing Hua UniversityのPo-Wen Chiuらは、electron cyclotron resonance chemical vapor deposition法 (ECR-CVD法)を用いて酸化物上にナノグラフェンを直接蒸着する技術を確立した。この方法は、ウェットエッチング、及び転写が不要なため、ナノグラフェンフィルムに金属不純物が残らない。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201102423/abstract

 

●Hong Kong University of Science and TechnologyのZhiyong Fanら、半導体ナノワイヤに関する総説を発表 (ACS Nanoより)

2012年2月17日

香港、Hong Kong University of Science and TechnologyのZhiyong Fanらは、半導体ナノワイヤやその材料を応用した大面積フレキシブルデバイスに関する総説を発表した。特に、集積回路や高周波デバイスに関して記述している。半導体ナノワイヤは、高い移動度を有し、形状や電気特性の安定した制御が可能で、合成コストが経済的な材料である。(tpe)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn204848r

 

●Holst Centreら、低温薄膜技術による世界初のRFID回路を作製 (Holst centreプレスリリースより)

2012年2月22日

EUのEP7プロジェクトORICLAに参画しているオランダHolst CentreとIMECならびに関係する研究機関は、低温薄膜技術を用いた世界初のRFID回路を作製した。このRFID回路は、reader-talks-first communicationが可能である。(cow)

http://www.holstcentre.com/en/NewsPress/NewsList/BidirectionalOrganicRFID.aspx

 

●Hanyang UniversityのJong-Man Kimら、紙基板上にインクジェット印刷できるマイクロエマルジョンシステムを開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年2月28日

韓国、Hang UniversityのJong-Man Kimらは、紙基板上にインクジェット印刷できる光重合型ジアセチレンのマイクロエマルションを開発した。紫外線重合により紙基板上にサーモクロミズムを示すポリジアセチレン超分子が形成される。(inu)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c2jm30301a

 

●富士フイルム、「第1回プリンタブルエレクトロニクス大賞」を受賞 (富士フィルムプレスリリースより)

2012年2月29日

富士フイルムの産業用インクジェットプリンター(DMP-2831)が、プリンタブルエレクトロニクス2012にて「第1回プリンタブルエレクトロニクス大賞」を受賞した。同賞は、nanotech2012(国際総ナノテクノロジー総合展・技術会議)の出展者を対象として斬新かつ先駆的で最優秀な技術を表彰するものである。(cjkim)

http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0616.html

 

 

●筑波大学の丸本一弘ら、電子スピン共鳴法により有機薄膜太陽電池の劣化機構を分子レベルで解明 (Advanced Energy Materials、科学技術振興機構プレスリリースより)

2012年3月1日

筑波大学の丸本一弘らは、有機薄膜太陽電池の劣化機構を分子レベルで解明した。電子スピン共鳴法を用いて、太陽電池内部の構造欠陥が起こる部位を測定できる解析手法を開発した。この手法は、太陽電池の変換効率や耐久性の向上に寄与することが期待される。(tok)

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120301-2/

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/aenm.201100774/abstract

 

●NEC、ICカードに内蔵可能な超薄型有機ラジカル電池を開発 (NECプレスリリースより)

2012年3月5日

NECは、薄くて曲げられるなどの特長を有する二次電池「有機ラジカル電池」において、ICカード(規格厚0.76mm)に内蔵可能な厚さ0.3mmの超薄型電池を開発した。印刷技術を用いて回路基板と電池を一体化することで、従来比1/2以下となる厚さ0.3mmを実現した。(saka)

http://www.nec.co.jp/press/ja/1203/0504.html

 

●Solvay社、発光効率30lm/Wのフレキシブル有機EL照明パネルを開発 (Solvayプレスリリースより)

2012年3月6日

ベルギーの化学メーカーであるSolvay社は、オランダの研究機関であるHolst Centreと共同で、輝度1000cd/m2、発光効率30lm/Wのフレキシブル照明用有機ELパネルを実現したと発表した。有機ELパネルの面積は69cm2である。(saka)

http://www.holstcentre.com/en/NewsPress/PressList/Solvay_OLED_Eng.aspx

 

●University of KansasのGuowei Xuら、通常のグラフェンよりも高導電なプラズモニックグラフェンを作製 (Advanced Materialsより)

2012年3月6日

アメリカ、University of Kansas のGuowei Xuらは、グラフェン上に銀ナノ粒子の熱による自己組織化現象を利用して、プラズモニックグラフェンを作製した。プラズモニックグラフェンは、通常のグラフェンに比べて2-4倍高い電気伝導率を示すことから、透明導電膜への応用が期待される。(cow)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104846/abstract

 

●東京大学の染谷隆夫ら、滅菌できる有機トランジスタを作製 (Nature Communications、科学技術振興機構プレスリリースより)

2012年3月6日

東京大学の染谷隆夫らは、高耐熱性を有する有機トランジスタを作製した。この高耐熱性は自己組織化単分子膜と封止膜の作製技術により実現された。プラスチックフィルム上の有機トランジスタは150℃の耐熱性を有し、かつ2Vの駆動電圧を有した。さらに、滅菌プロセス(150℃の加熱処理)で電気性能が劣化しないため医療用デバイスへの応用が期待される。(tok)

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120307/

http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n3/full/ncomms1721.html

 

●ETRI、 透過率の調節ができる透明ディスプレイを開発 (ETRIプレスリリースより)

2012年03月06日

韓国、Electronics and Telecommunications Research Institute(ETRI)は、周囲の環境に応じて透過度調節が可能で、コントラスト比を170倍に向上させた高画質透明ディスプレイを開発した。ディスプレイの裏面にETRIが開発したフレキシブルLCDを用いることで透過率0.02%まで調節できる。(park)

http://www.etri.re.kr/etri/not/not_0101010000.etri?type=view&b_idx=13147

 

●Catalan Institute of NanotechnologyのVincent Reboudら、 両面印刷配線を用いてITOフリー OLEDの光抽出力を向上 (Nanoscaleより)

2012年3月6日

スペイン、Catalan Institute of NanotechnologyのVincent Reboudらは、ナノインプリント・リソグラフィ技術で表と裏面にパターンがある金属電極を形成し、OLEDを開発した。このOLEDはITO電極使用時と比べ、同程度の電流密度で2倍の光抽出能力を持つ。(tpe)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/nr/c2nr12068b

 

●東北大学の林大和ら、日立電線と共同で銅ナノ粒子の新製法を開発 (化学工業日報より)

2012年03月08日

東北大学の林大和らは、日立電線と共同で銅ナノ粒子の高効率製造プロセスを開発した。還元剤であるヒドラジンを加えたプロパノール中で原料の酸化銅をマイクロ波加熱するもので、酢酸を分散保護剤とすることで50nm程度の粒子合成を実現した。既存のプロセスに対して10倍以上の高濃度合成と、合成時間の大幅な短縮により10分の1の低コスト化が可能である。 (park)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/03/08-5742.html

 

●Hanyang UniversityのUngyu Paikら、electrohydrodynamic jet printingで透明薄膜トランジスタ用の酸化物半導体をパターニング (Applied Physics Lettersより)

2012年3月8日

韓国、Hanyang UniversityのUngyu Paikらは、アメリカ、University of IllinoisのJohn A. Rogersグループとともに、electrohydrodynamic jet printingで透明薄膜トランジスタ用の酸化物半導体をパターニングした。このパターニング方法では、残留電荷や意図的なにドープを行わなくしなくても、32 cm2/(V・s)の移動度、オンオフ比10^3、閾値スレッショルド電圧2 Vのトランジスタを作製できる。(JLJO)

http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i10/p102108_s1

 

●産総研の長谷川雅考ら、タッチパネル電極代替に向けた炭素シート材の大量生産技術を開発 (日刊工業新聞より)

2012年03月08日

産業技術総合研究所の長谷川雅考らは、ナノメートルレベルの厚さのシート状炭素材料グラフェンをロール・ツー・ロール法で大量生産する技術を確立した。今後、開発した手法でつくるグラフェンの導電性をさらに高めるなどして2、3年以内の供給を目指している。(park)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120308aaar.html

 

●University of CambridgeのAndrea C. Ferrariら、グラフェンデバイス電子をインクジェット印刷 (ACS Nanoより)

2012年3月9日

イギリス、University of CambridgeのAndrea C. Ferrariらは、液相剥離法でグラフェンインクを合成した。グラフェンインクで薄膜トランジスタを印刷し、~95 cm2 V-1 S-1の移動度、~80%の透過率、~30 KΩ/□ のシート抵抗を達成した。この技術を用いれば、フレキシブルで透明なグラフェンデバイスを任意の基板上に印刷プロセスのみで作成可能となる。 (hsieh)

http://feedproxy.google.com/~r/acs/ancac3/~3/k-fwNE2i_5s/nn2044609

 

●University of CambridgeのAndrea C. Ferrariら、インクジェット印刷したグラフェンエレクトロニクス (ACS Nanoより)

2012年3月9日

イギリス、University of CambridgeのAndrea C. Ferrariらは、液相剥離法でグラフェンインクを合成した。グラフェンインクで薄膜トランジスタを印刷し、~95 cm2 V-1 S-1の移動度、~80%の透過率、~30 KΩ/□ のシート抵抗を達成した。

この技術を用いれば、フレキシブルで透明なグラフェンデバイスを任意の基板上に印刷プロセスのみで作成可能となる。 (hsieh)

http://feedproxy.google.com/~r/acs/ancac3/~3/k-fwNE2i_5s/nn2044609

 

●KAISTのHyuck Mo Leeら、Sn-Ag系バイメタルナノ粒子インクを合成 (Journal of Nanoparticle Researchより)

2012年3月9日

韓国、KAISTの Hyuck Mo Leeらは、ポリオールプロセスにより、SnとAgからなる印刷用のバイメタルナノ粒子インクを合成した。このインクには還元プロセスが必要なく、Ag-Sn(比率80:20)インクを用いた場合、シート抵抗が26.5 Ω/□と最も低い値を示した。(JLJO, yskim)

http://www.springerlink.com/content/6l62075m46132mu5/

 

●University of CaliforniaのDaniel J. Cohenら、ナノチューブのパーコレーションネットワーンを利用した高弾性の容量型歪みゲージを作製 (Nano Lettersより)

2012年3月12日

アメリカ、University of CaliforniaのDaniel J. Cohenらは、誘電エラストマーで分けられたカーボンナノチューブ電極の静電容量センサーを基に高弾性の歪みゲージを作製した。この歪みゲージは、数千回の完全歪みを加えても3%以内の変動と高い信頼性を示した。(yskim)

http://feedproxy.google.com/~r/acs/nalefd/~3/WPMcwCFHRtU/nl204052z

 

●タツモ、ロール・ツー・ロール方式の太陽電池モジュールを試作 (日刊工業新聞より)

2012年3月12日

タツモは、量産効率が高いロール・ツー・ロール方式を採用した球状シリコン太陽電池モジュールの試作を行った。バックシートに積層した電池セルを受光面シートで挟み込んでラミネートする一貫製造ラインも開発し、モジュールの性能評価後、電極処理などの完成度を高めていく予定である。(saka)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120120312baak.html

 

●Novalia社、導電性インクで印刷した紙ポスターからポップミュージックが流れる (BBC News Technologyより)

2012年3月12日

イギリス、Novalia社は、導電性インクで印刷した回路から音楽が流れる紙製ポスターを作製した。ポスターのサムネイルを押すとバンドの音楽が流れ、さらにチケットをポスターから予約することができる。(tok)

http://www.bbc.co.uk/news/technology-17339512

 

●Chinese Academy of SciencesのZhanao Tanら、チタニウキレートを塗布した逆型有機太陽電池を作製 (Advanced Materialsより)

2012年3月12日

Chinese Academy of SciencesのZhanao Tanらは、チタニウムキレートをITO電極に塗布した高効率なの逆型有機太陽電池(変換効率7.4%)を作製した。この変換効率は、従来の有機太陽電池の変換効率(6.4%)と比較して16%高く、逆型有機太陽電池の中では最高値である。(tok)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104863/abstract

 

●Chinese Academy of SciencesのLixiang Wangら、溶液プロセスで白色OLEDを作製 (Advanced Materialsより)

2012年3月13日

中国、Chinese Academy of SciencesのLixiang Wangらは、デンドリマー型ホスト材料とイリジウム錯体を用い、溶液プロセスで白色OLEDを作製した。このOLEDの発光効率は、100 cd m-2で70.6 cd A−1、26.0%及び47.6 lm W−1である。 (Jo)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104758/abstract

 

●DOWAエレクトロニクス社、銀ナノインクを本格事業化 (化学工業日報より)

2012年3月16日

DOWAエレクトロニクス社は、プリンタブルエレクトロニクス材料として、120℃以下の低温で焼成できる「銀ナノインク」の本格事業化に乗り出す。2秒程度で低温焼成できるため、紙やPETなど耐熱性の低い基材にも直接印刷可能である。2014年度をめどに銀ナノインクと印刷品の合計で年間売り上げ10億円規模の事業に育成し、中国での生産も視野に入れている。(saka)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/03/16-5857.html

 

●Tampere University of Technology のVesa Pynttäri ら、厚みのある印刷配線で、アンテナ効率を向上 (IEEE Antennas and Wireless Propagation Lettersより)

2012年3月19日

フィンランド、Tampere University of Technology のVesa Pynttäri らは、RF応用分野における、フレキシブル基板上の印刷配線の適切な厚みを調査した。細いワイヤー型のアンテナでは、868 MHzから2.4 GHzにおいて、厚みを増したアンテナが高効率を示した。(cow)

http://ieeexplore.ieee.org/xpls/abs_all.jsp?isnumber=6170612&arnumber=6148252&tag=1

 

●University of BayreuthのJosef Breuら、フレキシブルで透明かつ酸素バリア性をもつコーティング剤を開発 (Advanced Materialsより)

2011年3月19日

ドイツ、University of BayreuthのJosef Breuらは、新規合成したリチウムヘクトライトと紫外線硬化型のカチオン性ポリウレタンを組み合わせ、ポリマー・層状ケイ酸塩ナノコンポジットコーティング剤を開発した。新規合成したリチウムヘクトライトは、既存のモンモリロナイトに比べ、優れた酸素ガスバリア性を示した。(tpe)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104781/abstract

 

●Eindhoven University of TechnologyのRené A. J. Janssenら、溶液プロセスで作製した高分子タンデム型太陽電池 (Advanced Materialsより)

2012年3月21日

オランダ、Eindhoven University of TechnologyのRené A. J. Janssenらは、広くて小さなバンドギャップ吸収層を組み合わせた溶液プロセス高分子タンデム型太陽電池を開発した。この太陽電池は、直列配置で7%の光変換効率を示した。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104939/abstract

 

●KAUSTのH. N. Alshareefら、紙幣の上に不揮発性ポリマー強誘電体メモリを印刷 (Advanced Materialsより)

2012年3月21日

サウジアラビア、King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)のH. N. Alshareefらは、ポリフッ化ビニリデン トリフルオロエチレンを使って、紙幣の上に不揮発性ポリマー強誘電体メモリを印刷した。このデバイスは、低動作電圧、低リーク、高移動度、長時間駆動可能など優れた性能を示した。(cow)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200626/abstract

 

●IT MONOist、プリンテッド・エレクトロニクス業界の開発競争について解説 (MONOistより)

2012年3月21日

IT MONOistの菅田正夫(知財コンサルタント)は、プリンテッド・エレクトロニクス業界の開発競争について解説した。前半では、各地域、国の技術開発状況を概観し、後半ではプリンテッド・エレクトロニクスの要素技術とその現状について解説されている。(tok)

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1203/21/news005.html

 

●National University of SingaporeのG. W. Hoら、フレキシブル基板上でZnOナノロッドを作成 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年3月21日

シンガポール、National University of SingaporeのG. W. Hoらは、これまでリジッド基板に制限されていた垂直型ZnO ナノ構造体の作成を、Laser writing lithography法を用いることで、透明フレキシブルPET基板上で行うことに成功した。PET基板上で作成したZnOナノロッドは、曲げた状態でも優れた電気伝導率を示した。(park)

http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/hpkHMP81KNo/C2JM00027J

 

●次世代モバイルパネル用表示材料技術研究組合(TRDIM)、曲げられる液晶ディスプレイを開発 (化学工業日報より)

2012年3月22日

材料、加工、パネルなど関係12社の企業が参加する次世代モバイルパネル用表示材料技術研究組合(TRDIM)は、凹面にも凸面にも曲げることが可能な曲面液晶ディスプレイを開発したと発表した。ロール・トゥ・ロール方式で連続的に作製したパネルで、半径30cmの円柱に巻きつけても表示に乱れがない。(saka)

 

●National University of Singapore のHong Minghuiら、THzに同調可能な3Dメタマテリアルチューブを開発 (Advanced Materialsより)

2012年3月22日

シンガポール、National University of SingaporeのHong Minghuiらは、PEN基板上へ2Dのメタマテリアル材料を形成し、その材料を巻きとることで3D構造のメタマテリアルチューブを開発した。チューブの直径を変化させることで、共振周波数を調整でき、THzにも同調可能である。(tpe)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104575/abstract

 

●Optomec、3D印刷技術で航空機の翼へ電気回路を作製 (Optomecプレスリリースより)

2012年3月23日

アメリカ、Optomecは、航空機の翼に印刷プロセスのみでハイブリッド回路を作製することに世界で初めて成功した。独自の3D印刷技術“エアロゾルJetシステム”を用いて、無人偵察機の翼の上にセンサー、アンテナ、RF回路を印刷した。(cow)

http://www.optomec.com/site/latest_news/news95

 

●University of SheffieldのPatrick J. Smithら、Reactive inkjet printing (RIJ)技術の総説を発表 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年3月26日

イギリス、University of SheffieldのPatrick J. Smithらは、化学反応する二つ以上の物質をインクジェット印刷することで、パターニングするRIJ印刷技術を紹介した。本記事には、Single RIJとFull RIJに関する詳しい情報が記載されている。(cjkim)

http://feeds.rsc.org/~r/rss/JM/~3/0FN-hLYbXg8/C2JM30649B

 

●住友化学、「Light+Building 2012」に高分子有機EL照明を初出展 (化学工業日報より)

2012年3月26日

住友化学は独フランクフルトで開催される世界最大級の照明・建築技術見本市「Light+Building2012」に高分子有機EL照明を初出展した。電極以外の全てを塗布技術で作製した60色・10 cm角の大型照明を展示した。有機ELゆえの柔らかく目に優しい光、高分子ゆえの無限の色調、塗布印刷作製による環境負荷の低減といった特徴を有する。(saka)

http://www.sumitomo-chem.co.jp/newsreleases/docs/20120323.pdf

 

●PragmatIC Printing Ltd.、カード型PE製品の開発に向けてEnfucell と提携 (PragmatIC Printing Ltdプレスリリースより)

2012年3月26日

イギリス、PragmatIC Printing Ltd. とフィンランドのフレキシブル電池会社Enfucellは、両者の強みを活かしたカード型PE製品の開発の為、提携を結んだ。両者は、カード型PE製品のパイロット生産を検討しており、PEの技術要素提供を行う。(cow)

http://www.pragmaticprinting.com/userfiles/file/PPL-ecosystem-PR-120326.pdf

http://www.enfucell.com/enfucell-strengthens-pe-ecosystem-teams-up-with-pragmatic-printing-and-pel

 

●University of WindsorのTricia Breen Carmichael ら、大規模な伸縮性発光デバイスを作製 (AdvancedMaterialsより)

2012年3月26日

カナダ、University of WindsorのTricia Breen Carmichael らは、エラストマーマトリックス中にイオン性遷移金属錯体を分散させることで、発光面積の大きな(〜175mm2)発光デバイスを作製した。最大27%の歪みと15%の連続的な伸縮にも耐えることが可能であった。大面積にわたって均一な発光が必要な用途への利用が期待される。(cow)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200448/abstract

 

●Rice UniversityのJames Tourら、透明でフレキシブルなメモリチップを作製 (Rice Universityプレスリリースより)

2012年3月27日

アメリカ、Rice UniversityのJames Tourらは、透明でフレキシブルなメモリチップを作製した。メモリは、シリコン酸化物で作製されており、メモリのサイズが微小であるため透明である。シリコン酸化物詳細は後日論文にて掲載される。(tok)

http://news.rice.edu/2012/03/27/transparent-memory-chips-are-coming-2/

 

●LG Display社、フレキシブルな電子ペーパー用パネルの量産を開始 (OLED-infoより)

2012年3月29日

LG Display社は、フレキシブルな電子ペーパー用パネルの量産を開始した。パネルの寸法は6型で、厚さが0.7 mm、重さが14 gである。ガラス基板を用いたパネルと比較して、厚さは1/3以下、重さは半分以下になった。2012年4月初めに欧州で発売される電子書籍端末に搭載される予定である。(saka)

http://www.oled-info.com/lg-display-start-producing-flexible-e-ink-panels-plastic-substrate

 

●山形大学の時任静士ら、トランジスタをプラ基板上に試作、印刷技術も開発へ(日経産業新聞より)

2012年3月30日

山形大学の時任静士らは、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用の駆動用トランジスタをプラスチック基板上に作製する技術を開発した。塗布法などを用い、全工程を150℃以下で行うことでプラスチック基板上での作成が可能となった。従来のガラス基板で作成したものに比べて強度が高まる他、軽くて安全性の高いディスプレイが作れると見ている。また、製造コストも現在の約5分の1に出来る見通し。(cow)

http://organic.yz.yamagata-u.ac.jp/news/20120404_1.html

 

●日本黒鉛工業株式会社、水溶性導電性材料を開発 (日経産業新聞より)

2012年3月30日

日本黒鉛工業株式会社は、リチウムイオン電池の電極用導電性塗料において、揮発性有機化合物を含まない水溶性の新製品を開発した。黒鉛粉末に界面活性剤と接着剤を混ぜ、不純物が入らないように工夫している。(cow)

 

●日本原子力研究開発機構(JAEA)の圓谷志郎ら、グラフェンの精密層数制御と高均質化に成功 (独立行政法人日本原子力研究開発機構プレスリリースより)

2012年3月30日

独立行政法人日本原子力研究開発機構の圓谷志郎らは、グラフェンの大面積・層数制御成長法を開発した。グラフェンの原料分子が触媒金属の表面で成長する過程をモニターすることで、グラフェンの成長条件を明らかにし、グラフェンに含まれる炭素原子層数の精密制御を初めて実現した。グラフェンの電気的性質も精密に制御できるため、高度な電子・スピン機能性を有するグラフェンデバイスの創製につながることが期待される。(cjkim)

http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p12033001/index.html

 

●Ghent UniversityのIsabel Van Driesscheら、インクジェット印刷で光触媒活性TiO2フィルムを作製 (Nanotechnologyより)

2012年3月30日

ベルギー、Ghent UniversityのIsabel Van Driesscheらは、酸化チタンナノ粒子の水懸濁液をインクジェット印刷し、光触媒活性及び透明性を有する酸化チタンフィルムを作成することに成功した。酸化チタンナノ粒子懸濁液は、チタンプロポキシド水溶液をマイクロ波で水熱処理して合成した。 (inu)

http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/16/165603

 

●Johannes Kepler UniversityのMartin Kaltenbrunnerら、ラップより薄い有機太陽電池の実現に成功 (Nature Communicationsより)

2012年4月3日

オーストリア、Johannes Kepler UniversityのMartin Kaltenbrunnerらは、高いフレキシブル性を持った極薄、軽量の有機薄膜太陽電池を作製した。膜厚2μm未満のプラスチックフィルム上に作成された有機薄膜太陽電池は、ガラス基板上に作製した太陽電池と同等の変換効率を示し、大きな変形に対して耐えた。この太陽電池は、従来の技術で作製されたどんな太陽電池よりも10倍以上薄く、軽く、高いフレキシブル性を持つ。この研究は、東京大学の染谷隆夫、関谷毅との共同研究により実施された。(tok)

http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n4/full/ncomms1772.html

http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/120404.html

 

●東京大学の古賀大尚ら、有用化学物質をつくる紙を開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年4月3日

東京大学の古賀らは、リパーゼ酵素を固定化した濾紙を使って、有用化学物質を合成することに成功した。シランカップリング技術を応用して市販のセルロース濾紙にメタクリロキシ基を導入することで、高効率なリパーゼの固定化と優れた反応効率が達成される。この紙は繰り返し反応に使えるだけでなく、多孔質構造を持っているため、フロープロセスによる目的化学物質の連続生産にも適している。 (inu) http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM30759F

 

●LG Chem Research ParkのSangki Chunら、銀塩を用いた新インクで透明導電膜を作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年4月4日

韓国、LG Chem Research ParkのSangki Chunらは、銀塩でコートした銀ナノ粒子を用いた新しい導電性インクを開発し、グラビア印刷でグリッド状透明導電膜を作製した。従来の銀ナノ粒子インクはポリマー分散剤がコートしてあったため高温の熱処理が必要であったが、銀塩でコートすると低温の熱処理で十分になる。銀塩としてC10H19AgO2を用いた新インクで作製した透明導電膜の最高性能値は、線幅20 µm・加熱温度150℃、シート抵抗1 Ω/□、光透過率85%であった。(cow)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM30198A

 

●韓国、LG Chem Research ParkのSangki Chunら、次世代導電性インクとして期待される銀塩の加熱による抵抗率推移メカニズムを解明 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年4月4日

LG Chem Research ParkのSangki Chunらは、銀塩からなる次世代導電性インクに関して、加熱による抵抗率推移メカニズムを解明した。様々な銀塩異性体で比較実験した結果、インクの抵抗率推移と最終的に得られる抵抗率は、熱重量挙動ではなく、粒子堆積や相転移、放熱バンドに依存することが判明した。(hsieh、tpe)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c2jm30198a

 

●山形大学の栗原ら、異なる基板上にプルシアンブルーの薄膜製作に成功 (Green Chemistryより)

2012年4月5日

山形大学の栗原らは、エレクトロクロミック性を示すプルシアンブルー微粒子のn-BtOH分散液を種々の基板上にスピンコートすることで、均一なプルシアンブルー薄膜を作製することに成功した。プルシアンブルーは従来溶媒分散性に乏しいが、Na4[Fe(II)(CN)6]と低分子鎖のアルキルアミンで化学修飾することでこの問題を解決した。今後、多機能性インクとしての応用が期待される。(hsieh)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/gc/c2gc35079c

 

●Peking UniversityのDechun Zouら、市販の万年筆インクから色素増感太陽電池を作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2012年4月5日

万年筆のインクは、カーボンナノ粒子がよく分散性しており、大きな比表面積を有する。中国、Peking UniversityのDechun Zouらは、万年筆用のカーボンナノ粒子インクを用いて平面タイプ・繊維タイプの色素増感太陽電池の対電極を作製した。インクにTiO2ナノ粒子を加えることにより、デバイスの直列抵抗、電解質の拡散インピーダンスが減少した。 (inu)

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/JM/C2JM16265B

 

●アイトリックス、グラフェン成膜技術、電子デバイス開発でグラフェンスクエア社と提携 (アイトリックスプレスリリースより)

2012年4月10日

アイトリックス社は、4月10日にグラフェンスクエア社と、グラフェン成膜技術、電子デバイス開発で提携した。グラフェンスクエア社のグラフェン成膜装置を日本市場で独占的に販売するほか、ナノインプリント技術を用いたグラフェンベースの電子デバイス開発を近日中に開始する。(saka)

http://www.itrix.co.jp/news/archives/2012/04/vb.html

 

●National University of SingaporeのJianyong Ouyangら、PEDOT:PSSを用いて高性能透明導電膜を作製 (Advanced Materialsより)

2012年4月10日

シンガポール、National University of SingaporeのJianyong Ouyangらは、希硫酸処理によって、PEDOT:PSSフィルムの導電性を0.3 S cm-1から3065 S cm-1に向上させた。作製したフィルムは、シート抵抗39 Ω/□、可視光透過率80%を達成した。既存のITOを代替する新材料として期待される(inu)

 

●University of Illinois at Urbana-ChampainのJefferey S. Mooreら、自己修復する導電性インクを作製 (Advanced Materialsより)

2012年4月10日

アメリカ、University of Illinois at Urbana-ChampaignのJefferey S. Mooreらは、コアシェル型のカプセルを用いることで、自己修復する導電性インクを作製した。このインクで作製した銀配線の導電性は、ダメージを受けても数分以内に自己修復する。銀配線中のマイクロカプセルが機械的ダメージを受けると、酢酸ヘキシルが流れ出して、自己修復現象が生じる。(tok)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200196/abstract

 

●Åbo Akademi University のPetri Ihalaineら、コート紙基板の表面物性が配線特性に与える影響を調査 (Industrial & Engineering Chemistry Researchより)

2012年4月10日

フィンランド、Åbo Akademi UniversityのPetri Ihalaineらは、コーティング処理によって表面物性 (表面粗さ、表面エネルギー、または空気透過性など)を変化させた。紙基板へ銀インクまたはポリアニリンインクを印刷し、その配線特性を調べた。配線の細さやエッジのにじみは物性と複雑な相関を示し、また、配線の抵抗値は表面粗さと比例関係を示した。(yskim, tpe)

http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/ie202807v

 

●Korea UniversityのBongsoo Kimら、虹色を発する銀ナノワイヤ単結晶ナノアンテナ (Nano Lettersより)

2012年4月11日

韓国、Korea UniversityのBongsoo Kimらは、無欠陥の単結晶銀ナノワイヤが、表面プラズモン共鳴により全可視光領域で動作する光アンテナとして有望であることを報告した。また、原子レベルで平滑な表面を持つ銀ナノワイヤを用いると、多数のプラズモン共鳴が生じ、フレネル領域内で虹色のアンテナ放射が発生することも発見した。(uwa)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl3002414

 

●Trinity CollegeのJ. N Colemanら、透明導電膜における銀ナノワイヤの長さと直径の影響を明らかに (Nanotechnologyより)

2012年4月13日

アイルランド、Trinity CollegeのJ. N Colemanらは、銀ナノワイヤの長さがフィルムの光透過率とシート抵抗に与える影響をbulk-likeとpercolationモデルを用いて理論的に解析した。その結果、直流伝導率はナノワイヤの長さと相関があるが、光学電導度はナノワイヤの長さと無関係であった。(uwa)

http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/18/185201

 

●TASC、タッチパネル向けの透明電極用グラフェンの大量合成技術を開発 (化学工業日報より)

2012年4月16日

TASC (単層CNT融合新材料研究開発機構)のグラフェン事業部は、表面波励起マイクロ波プラズマCVD法を用いて、グラフェンの大量合成技術の開発を進めることを発表した。R2Rによる連続合成技術の実現も視野に入れ、PETなどへの転写技術の確立も行っていく。(park)

TASC HP: http://www.tasc-nt.or.jp/index.html

 

●日本写真印刷、金属に直接フィルムを転写する技術確立 (日刊工業新聞より)

2012年4月16日

日本写真印刷は、アルミニウム表面にグラビア印刷したフィルムを転写し、紫外線で固める方法で、装飾や機能を付加する技術を開発した。本技術を用いると、陽極酸化皮膜をつくる工程を省け、品質の安定化及び環境負荷の低減に加え、白色をきれいに出すことが可能となる。超薄型パソコンの加飾での採用を狙っている。(cjkim)

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520120416cbak.html

 

●JNC、タッチパネルの絶縁層形成に利用可能な透明インキを開発 (化学工業日報より)

2012年4月17日

JNC(チッソ事業会社)は、高透明・高絶縁性・高耐熱性で、タッチパネルの絶縁層形成に利用可能な透明インキを開発した。この透明インクは、紫外線硬化型のアクリル系インクと熱硬化型のポリイミド系インクの2種類があり、事業化へ向けた検討がされている。(uwa)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/17-6255.html

 

●TASC、産総研、NEC、出力電流の均一性を高めたCNTトランジスタをプラスチックフィルム上に印刷形成する技術を開発 (産総研プレスリリースより)

2012年4月18日

技術研究組合単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)、産総研、NECは、出力電流の均一性を高めたCNTトランジスタを印刷形成する技術を開発した。この技術は、フレキシブル・大面積デバイスへの応用につながる成果である。(saka)

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120418/pr20120418.html

 

●Chemniez University of TechnologyのMagnus Berggrenら、大面積organic electrochemical transistorsを印刷とレーザーアブレーションで作製 (Advanced Functional Materialsより)

2012年4月18日

ドイツ、Chemniez University of TechnologyのMagnus Berggrenらは、印刷法(スクリーンとインクジェット)とレーザーアブレーション法を組み合わせて、フレキシブル基板上にorganic electrochemical transistors (OECTs)を作製した。このOECTsは、ゲート電圧が1 Vの範囲でon/off比は最大600、スイッチング時間は100 msecを達成した。(hsieh)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201102827/abstract

 

●リケンテクノス、延伸可能な導電性フィルムを開発 (化学工業日報より)

2012年4月19日

リケンテクノスは、ポリオレフィン系樹脂にカーボン成分および無機材料を練り込み、優れた導電性をもちながらフレキシブル性を併せ持つポリオレフィン系フィルムを開発した。(tpe)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/19-6295.html

 

●Samsungフレキシブルな有機ELディスプレイ「YOUM」を年内に販売 (Plastic Electronicsより)

2012年4月19日

Samsungは、フレキシブルな有機ELディスプレイ「YOUM」に関して、早ければ2012年5月に量産を開始し、同第4四半期に販売予定であることを発表した。YOUMは、厚さ0.5mm程であり、衝撃に耐えられる構造になっている。基板に使うポリイミドフィルムは宇部興産と共同で開発した。(tok)

http://www.plusplasticelectronics.com/consumerelectronics/samsung-updates-progress-on-flexible-oled-displays-53489.aspx

 

●Georgia Institute of TechnologyのBernard Kippelenら、有機エレクトロニクス用の低仕事関数電極の統一的な作製方法を開発 (Scienceより)

2012年4月20日

アメリカ、Georgia Institute of TechnologyのBernard Kippelenらは、有機エレクトロニクス用光電デバイスの仕事関数を低下させる簡便な方法を開発した。脂肪族アミン基を含むポリマー系表面改質層を設けることで、金属酸化物、導電性ポリマー、グラフェンなどの仕事関数を減少させることができる。大面積の有機エレクトロニクスを低コストかつ簡便に作製するための有用な新技術として期待される。(cow)

http://www.sciencemag.org/content/336/6079/327.full

 

●The University of Texas at AustinのRodney S. Ruoffら、銀ナノワイヤとグラフェンを用いて抗菌性透明導電膜を開発 (ACSNANOより)

2012年4月22日

アメリカ、The University of Texas at AustinのRodney S. Ruoffらは、シート抵抗、光透過率、共にITO膜と同等な、ハイブリッド透明導電膜を開発した。金で修飾された還元型グラフェン酸化物(RG-O)を銀ナノワイヤ透明導電膜に導入することで、銀ナノワイヤ間の電気移動が効率的に行われ、シート抵抗が減少した。さらに、ハイブリッド透明導電膜は、抗菌特性を有したことから、生物医学デバイスアプリケーションの可能性も示した。(cow)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn300852f

 

●The University of Texas at AustinのRodney S. Ruoffら、バッテリー電極用の発泡グラファイト薄膜を開発 (NanoLettersより)

2012年4月23日

アメリカ、The University of Texas at AustinのRodney S. Ruoffらは、リン酸鉄リチウム(lithium iron phosphate, LFP)を添加した発泡グラファイト薄膜(ultrathin graphite foam , UGF)を開発した。このUGFは、自立可能で、軽量、高導電性(7.7×10^-4 Ω・cm)という特徴を有する。UGFを用いたリチウムイオンバッテリー用UGF/LFPカソード電極は、通常用いられるアルミニウム/LFPカソード電極に比べて23%の電流密度の向上を達成した。(cow)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl300528p

 

●Arkema、CEAと有機エレクトロニクス分野で提携 (Arkemaプレスリリースより)

2012年4月23日

アメリカ、ArkemaとCEAは、マイクロエレクトロニクスと有機エレクトロニクス分野の2分野の共同研究所を設けたと発表した。電子部品の設計開発を得意とするCEAと高性能ポリマーの設計、製造の専門知識に長けたArkemaの技術を統合して大面積印刷が可能な電子製品向けの、透明フレキシブルデバイスの開発を進める。(cow)

http://www.arkema.com/pdf/EN/press_release/2012/cp_partenariat_arkema_cea_va.pdf

 

●京セラ、世界最速80m/分のインクジェット用プリントヘッドを開発 (京セラプレスリリースより)

2012年4月24日

京セラは、印刷速度が80 m/min、解像度が1200×1200dpiの商業用インクジェット印刷機向けプリントヘッド「KJ4B-Zシリーズ」を開発した。圧電アクチュエーターを駆動制御する信号波形やインクの流路構造を改善することで、1つのインクノズルから最大毎秒約6万4千滴(駆動周波数64kHz)のインクの吐出を可能とした。また、インク液滴を小さく(2 pl以下)したことで、より高精細な印刷を実現した。(saka)

http://www.kyocera.co.jp/news/2012/0404_toki.html

 

●University of ExeterのMonica F. Craciunら、高導電性のグラフェン透明導電膜を作製 (Advanced Materialsより)

2012年4月25日

イギリス、University of ExeterのMonica F. Craciunらは、高導電性のグラフェン透明導電膜を作製した。作製した透明導電膜は、グラフェンシート間にFeCl3層を挿入した複数枚のグラフェンシートからなる。この透明導電膜は、シート抵抗8.8 Ω/□、可視光透過率84%と優れた性能を有している。(tok, uwa) http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200489/abstract

 

●アサヒ化学研究所、110℃の低温で硬化可能なタッチパネル用高透明性レジスト材料を開発 (化学工業新聞より)

2012年4月25日

アサヒ化学研究所は、110℃、30minで硬化できるタッチパネル用の高透明性印刷インクを開発した。開発したインクは、表面硬度:2H、光透過率:95%を有している。また、樹脂材料の改良、添加剤の工夫により、粘度も20~60dPaと低く、取扱いの利便性も高い。(saka)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/25-6358.html

 

●Heliatek、有機太陽電池の世界最高効率10.7%を達成 (Heliatekプレスリリースより)

2012年4月27日

ドイツ、Heliatek社は有機太陽電池の世界最高効率10.7%を達成したことを発表した。この有機太陽電池はセル面積1.1cm2のタンデム構造のセルである。また、従来の太陽電池と比較して、弱い光の下や高温環境でも動作する。(tok)

http://www.heliatek.com/?p=1923&lang=en

 

●Slovenia、Jozef Stefan InstituteのG. Filipičら、酸化銅ナノワイヤの合成方法について総説を発表 (Nanotechnologyより)

2012年4月27日

Slovenia、Jozef Stefan InstituteのG. Filipičらは、エネルギー変換デバイスおよび光デバイスに重要な酸化銅ナノワイヤ(Cu2OとCuO)の合成方法に関する総説を発表した。合成方法には、湿式化学法、電気化学法、水熱法、熱・プラズマ酸化法などがあり、特に、湿式化学法とプラズマ酸化法のハイブリット法は、高品質高性能な酸化銅ナノワイヤを大量生産するのに適している。(park)

http://iopscience.iop.org/0957-4484/23/19/194001

 

●Peking UniversityのJin Zhangら、フレキシブルタッチパネル用の大面積グラフェン透明導電膜をバーコート法で作製 (Advanced Materialsより)

2012年4月27日

中国、Peking UniversityのJin Zhangらは、バーコート法でプラスチックフィルム上に大面積のグラフェン透明導電膜を作製した。この透明導電膜は、バーコートしたグラフェン酸化物を室温で還元処理して作製された。作製したグラフェン透明導電膜は、良好な均一性、透明性、導電性、フレキシブル性を示した。(tok)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200055/abstract

 

●産業技術総合研究所の畠賢治ら、高い機械的耐久性と導電性を有する単層カーボンナノチューブ/エラストマー複合材料を開発 (Nano Lettersより)

2012年4月30日

産業技術総合研究所の畠賢治らは、高アスペクト比で小径な単層カーボンナノチューブをエラストマー中でパーコレーションさせ、伸縮性の導体材料を開発した。この導体材料は、3.3×10^-2 Ω・cmで、4500サイクルの伸縮にも耐え、既存の伸縮性導電材料を上回る導電性と機械的耐久性を有している。(inu)

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl204221y

 

●産総研、結晶シリコン太陽電池用の銅ペーストを開発 (産総研プレスリリースより)

2012年5月1日

産総研の徳久らは、低温プロセス用銅ペーストを開発し、印刷技術による結晶シリコン太陽電池の配線・電極の形成に成功した。高効率太陽電池セルでは、デバイス性能の熱劣化を防ぐため、製造プロセスを200 ℃以下まで低温化する必要がある。今回開発された銅ペーストは、低融点合金と銅粉を混合して作製されており、200 ℃以下で焼成しても、3×10^-5 Ω•cmという低い抵抗率を示し、太陽電池の配線・電極に用いることができた。(cjkim)

http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol12_05/p12.html

 

●Tufts UniversityのHu Taoら、オプトエレクトロニクス製品へ応用が期待される絹材料の総説を発表 (Advanced Materialsより)

2012年5月2日

アメリカ、Tufts UniversityのHu Taoらは、フォトニクス・オプトエレクトロニクス分野や医療・バイオ分野など、幅広い応用が期待される。生物由来の絹タンパク質材料に関する総説を発表した。本総説では、絹インクを用いた印刷技術についても述べている。(saka, tpe)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104477/abstract

 

●大日本印刷(DNP)、DNPファインケミカルと共同でタッチパネル向け電極材、絶縁材、接着剤を開発 (大日本印刷プレスリリースより)

2012年5月7日

DNPとDNPファインケミカルは、タッチパネル向け機能性材料として用いられる銀ペースト電極材、絶縁材、接着剤の3製品を開発した。その中でも、銀ペースト電極材は、スクリーン印刷で線幅50 μmの微細配線が作製できるという特徴がある。更に、100℃以下の低温で硬化するため、低温での処理が必要なプラスチックフィルムにも利用できる。(cjkim)

http://www.dnp.co.jp/news/10029293_2482.html

 

●KAISTのSeunghyup Yooら、デジタルモードの有機蒸気ジェット印刷法で薄膜トランジスタを作製 (Advanced Materialsより)

2012年5月9日

韓国、Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST)のSeunghyup Yooらは、デジタルモードの有機蒸気ジェット印刷法(D-OVJP)で高性能な薄膜トランジスタを作製した。この印刷法は、従来の有機蒸気ジェット印刷法の利点に加え、ピクセル間精度での有機蒸着の制御が可能である。膜厚のデジタル制御もできるため、有機エレクトロニクス分野に大きく貢献する新技術として期待される。(inu)

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201200640/abstract

 

2011/06/01 No.28-33(2011年6-11月)

 

●Seoul National UniversityのJyongsik Jangら、インクジェット印刷、蒸着法を用いて透明スピーカーを作製 (Royal Society of Chemistryより)

2011年6月30日

韓国、Seoul National UniversityのJyongsik Jangらは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)上にインクジェット印刷および蒸着法を用いてグラフェン薄膜を形成し、透明なスピーカーを作製した。この透明スピーカーは、グラフェン薄膜間のPVDFが電圧により振動することでスピーカーとしての機能を果たす。また、市販のスピーカーと比較して消費電力が非常に小さいため、薄く、軽量なスピーカーへの応用が期待される。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/CC/c1cc12913a

 

●Seoul National UniversityのYoung-Chang Jooら、ハロゲンランプを用いた銀ナノ粒子フィルムの焼結法を開発 (Journal of TheElectrochemical Societyより)

2011年6月7日

韓国、Seoul National UniversityのYoung-Chang Jooらは、熱源としてハロゲンランプを用いた銀ナノ粒子インクの焼結方法を開発した。ハロゲンランプは熱効率が非常に高いため、短時間の照射でも銀ナノ粒子インクを焼結可能である。300Wの光を照射して作製した銀薄膜は、抵抗率:2.64μΩcmであった。

http://link.aip.org/link/?JESOAN/158/K165/1

 

●コニカミノルタホールディングス、世界最高レベルの発光効率をもつ有機EL照明パネルの生産を開始 (コニカミノルタホールディングス株式会社プレスリリースより)

2011年7月12日

コニカミノルタホールディングスは、独自の有機材料と層構成を活用し、世界最高レベルの発光効率:45lm/Wを有する有機EL照明パネルの生産を本年秋より開始する。

http://www.konicaminolta.jp/about/release/2011/0712_01_01.html

 

●Lumiotec、世界で初めて有機ELパネルを使った照明器具の発売を発表 (Lumiotec HPより)

2011年7月27日

Lumiotecは、世界で初めて有機ELパネルを使った照明器具を9月1日に発売すると発表した。同パネルは、点発光のLED(発光ダイオード)と異なり面で発光するため、照明の光が均一に広がる利点がある。また、発光効率は白熱電球と同程度である。

http://www.lumiotec.com/

 

●Fraunhofer InstituteのNenad Marjanovicら、フォトニック焼結法を用いてCuOとCdSの低温焼結に成功 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年8月1日

ドイツ、Fraunhofer Institute のNenad Marjanovicらは、フォトニック焼結法を用いてCuO、CdSインクを低温焼結した。フォトニック焼結法は、短波長の強烈なフラッシュランプを用いる方法であり、従来の湿式KOH 処理法より効果的に分散剤を除去できた。低温焼結可能なフォトニック焼結を用いることで、熱に弱いPET基板上にもショットキーダイオードの作製に成功した。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C1JM11237F

 

●Trinity College DublinのJonathan N. Colemanら、スプレー法を用いて大面積銀ナノワイヤ透明導電膜を作製 (Smallより)

2011年8月1日

アイルランド、Trinity College DublinのJonathan N. Colemanらは、スプレー法を用いて銀ナノワイヤ透明導電膜を作製した。噴射圧力を最適化することで液滴サイズを小さくし、均一な銀ナノワイヤ透明導電膜を作製した。スプレー法を用いて作製した銀ナノワイヤ透明導電膜は、シート抵抗:50Ω/□、透過率:90%の特性を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201100647/abstract

 

●Soongsil UniversityのChang Hwan Leeら、透過率を切り替え可能なスマートウィンドウを作製 (ACS Nanoより)

2011年8月5日

韓国、Soongsil UniversityのChang Hwan Leeらは、可逆的に透過率の切り替えの可能なスマートウィンドウを作製した。ガラス基板上に高分子電解質膜をスプレーコートし、スマートウィンドウを作製した。この高分子電解質膜は、チオシアン酸イオンもしくは、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミドイオンを含む溶液へ浸漬することで、それぞれ90.9%と0%の全光線透過率に切り替え可能である。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn202328y

 

●Siemens AGのSamuele Lilliuら、インクジェット印刷で、有機フォトダイオードを作製 (Thin Solid Filmsより)

2011年8月7日

ドイツ、Siemens AGのSamuele Lilliuらは、インクジェット印刷を用いて有機フォトダイオードを作製した。この有機フォトダイオードのホール導体部はPEDOT:PSSインクを、バルクヘテロ接合部はP3HT:PCBMインクをインクジェット印刷して作製しており、-5 Vの逆バイアスの時、非常に低い暗電流:2μA/cm2、高い外部量子効率:68.5%を示した。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040609011014659

 

●Thinfilm、InkTecと提携し生産能力を拡大 (Thin Filmプレスリリースより)

2011年8月8日

ノルウェー、ThinfilmASAは、韓国、InkTecと提携し、“Thinfilmメモリ”生産用の新しい生産工場を開設したことを発表した。Thinfilmは、主要な生産パートナーのInkTecと、サプライチェーンを確立することで、低コストで大量生産体制を整えるとしている。

http://www.thinfilm.se/news/38-press-releases/269-inktec-opens-dedicated-production-facility-for-thinfilm-memory

 

●Yonsei UniversityのEunkyong Kimら、光パターニング可能なポリチオフェンを合成 (Advanced Materialsより)

2011年8月12日

韓国、Yonsei UniversityのEunkyong Kimらは、導電性のコントロールが可能で、光パターニングできるポリチオフェンを合成した。合成したポリチオフェンは溶液プロセスに対応可能である。筆者らは、ポリチオフェンを基板にスピンコートした後に、光パターニングを施した。露光した箇所のポリチオフェンの導電性は大きく向上した。合成したポリチオフェンは、溶液プロセスに対応可能であるため、大面積のエレクトロクロミック素子作製への応用が期待できる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101900/abstract

 

●UESTCのYan-rong Liら、グラフェン透明導電膜でフレキシブルなEL素子を開発 (ACS Nanoより)

2011年8月15日

中国、UESTC のYan-rong Liらは、PET基板でグラフェン透明膜を作製し、フレキシブルなエレクトロルミネセンス(EL)素子を開発した。大面積なグラフェンフィルムをCVD法で作製し、そのグラフェンをPET基板上に転写することで透明導電膜を形成した。EL素子は5.4%の伸長まで動作し、素子の光度は5.0lm/Wであり、発光効率は1140cd/m^2である。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2018649

 

●DuPont Microcircuit Materials、NovaCentrixとPulseForge利用で協定 (DuPont Microcircuit Materialsプレスリリースより)

2011年8月15日

DuPont Microcircuit Materialsは、プリンテッドエレクトロニクス分野での機能性インクの拡充を狙って、開発途上でのNovaCentrix製PulseForge利用の協定を結んだことを発表した。NovaCentrixのPulseForgeは、プラズマ処理で金属粒子インクを常温で瞬間焼結させる機械で、加熱不要、短時間での処理が注目されている。

http://www2.dupont.com/MCM/en_US/news_events/article20110815.html

 

●Yonsei UniversityのJooho Moonら、透明酸化物の薄膜トランジスタに向けた溶液プロセスITOを開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年8月16日

韓国、Yonsei UniversityのJooho Moonらは、溶液プロセスに適用可能であり、多様なパターン形成能を有したITOを開発した。スズのドーピング濃度や加熱条件などを調整して、高導電性なマイクロパターン透明電極を開発した。この方法は、従来のフォトリソグラフィ、インクジェット印刷、及びトランスファー成形法を用いてのパターニングが可能である。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/c1jm11418b

 

●University of PennsylvaniaのA. G. Yodhら、楕円体の粒子を用いてコーヒーリング効果の抑制に成功 (Natureより)

2011年8月17日

アメリカ、University of PennsylvaniaのA. G. Yodhらは、楕円体粒子を用いてコーヒーリング効果の抑制に成功した。楕円体粒子は、粒子間の引力相互作用が球状より強いため、蒸発時に液滴の縁に押しやる力に対抗可能であり、結果として、コーヒーリング効果が抑制される。

http://www.nature.com/nature/journal/v476/n7360/full/nature10344.html

http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?id=84574&issue=7360

 

●Rusano、教育現場に電子ブックを試験的に導入 (ロシア連邦政府ニュースリリースより)

2011年8月18日

ロシア、RusanoのChubaisは、来年以降ロシア国内で、6年分のあらゆる教科書を有した電子ブックを試験的に小学校に導入していくことを発表した。また、ロシア大統領のプーチン氏にも電子ブック導入への説明を行った。

http://premier.gov.ru/eng/events/news/16215/

 

●Bilkent UniversityのMehmet Bayindirら、フレキシブル基板上にナノポーラス状のシリカフィルムを形成 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年8月18日

トルコ、Bilkent UniversityのMehmet Bayindirらは、室温・中性条件で、ナノポーラスシリカフィルムをフレキシブル基板上へ形成した。この技術を使うと、ガラス、セルロースアセテート、ポリエチレンイミド基板へ反射防止性能を付与できる。また、紙やガラスへ疎水性を付与することもできる。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/C1JM12188J

 

●University of CaliforniaのPeidong Yangら、バルク構造と同等の光起電力をもつ2層構造ナノワイヤを開発 (Nature Nanotechnology Letterより)

2011年8月21日

アメリカ、University of CaliforniaのPeidong Yangらは、光起電力材料として2層構造のナノワイヤを開発し、バルク構造と同等である~5.4%の効率を実現した。2層ナノワイヤは、低温な湿式プロセスで作製され、中心に単結晶の硫化カドミウム、その周りに単結晶の硫化銅(Ⅰ)の層をもつ。

http://www.nature.com/nnano/journal/v6/n9/full/nnano.2011.139.html

 

●Imperial College LondonのJohn C. de Melloら、溶液プロセスにより作製した銀ナノワイヤ電極で高効率有機太陽電池を開発 (AdvacnedMaterialsより)

2011年8月22日

イギリス、Imperial College LondonのJohn C. de Melloらは、銀ナノワイヤを用いた有機太陽電池の電極間短絡を減少させる効率的な方法を開発した。この方法をP3HT:PCBM太陽電池に適用すると、銀ナノワイヤ上に酸化チタンのバッファ層を持つ逆型構造のとき、最大変換効率:3.5%を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100871/abstract

 

●University of CaliforniaのQibing Peiら、銀ナノワイヤ-ポリマー電極を使った、曲げても動くポリマー太陽電池を開発 (Advacned Materialsより)

2011年8月24日

アメリカ、University of CaliforniaのQibing Peiらは、銀ナノワイヤ-ポリマー複合電極上にポリマー太陽電池(P3HT, PCBM)を作製した。この銀ナノワイヤ太陽電池は、ITOガラス基板太陽電池と同等の変換効率を示し、最大8%ひずみ相当の曲げた状態でも動作した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101992/abstract

 

●Korea Institute of Ceramic Engineering and Technology のJihoon Kimら、ITOインクをインクジェット印刷し、透明導電膜を作製 (MaterialsScience and Engineering Bより)

2011年8月25日

韓国、Korea Institute of Ceramic Engineering and TechnologyのJihoon Kimらは、ITOナノ粒子インクをインクジェット印刷後、マイクロ波加熱し、インジウムスズ酸化物(ITO)膜を作製した。加熱温度を増加させると光透過率は一定でシート抵抗は減少し400℃で517Ω/□のシート抵抗を示した。さらに、ITO膜の間に銀-グリッド配線を印刷するとシート抵抗3.4Ω/□、84%の透過率を達成した。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0921510711002765

 

●Umea UniversityのAlexandr V. Yalyzinら、単層カーボンナノチューブで被覆されたグラフェンナノリボンを合成 (Nano Lettersより)

2011年8月29日

スウェーデン、Umea UniversityのAlexandr V. Yalyzinらは、単層カーボンナノチューブで被覆されたグラフェンナノリボンを多環芳香族炭化水素の重合反応により合成した。グラフェンナノリボンは、ほぼ100%単層ナノチューブ中に充填されており、ナノリボンの長さはナノチューブの長さに制限される。この新物質は、エネルギー的に安定であり、グラフェンナノリボンと同様の電子構造を示すため、ナノエレクトロニクスやフォトニクス分野への応用が期待される。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl2024678

 

●産総研、住友精化、東京理科大が、熱を加えても大きさの変わらない耐熱フィルムのロール品生産に成功 (産総研プレスリリースより)

2011年8月30日

産業技術総合研究所、住友精化、東京理科大学は、粘土とポリイミドを原料として、熱的寸法安定性や耐熱性に優れたフィルムを開発した。このフィルムは、350 ℃に加熱しても収縮率はわずか0.04%であるため、プリンタブルエレクトロニクス用基板材料に適用可能である。さらに、高い水蒸気バリア性も併せ持ち、太陽電池バックシートなどへの用途にも適応可能である。プリント基板や太陽電池バックシートなどに向けて住友精化からサンプル提供を始め、半年以内の製品化を目指す。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110830/pr20110830.html

http://www.sumitomoseika.co.jp/files/up1314837914.pdf

 

●The Hebrew University of JerusalemのShlomo Magdassiら、銀ナノ粒子インクの自己凝集現象を用いてフレキシブル透明導電膜を作製 (Journalof Materials Chemistryより)

2011年8月30日

イスラエル、The Hebrew University of JerusalemのShlomo Magdassiらは、銀ナノ粒子インクの自己凝集現象を応用して、フレキシブル透明導電膜を作製した。銀ナノ粒子インクが乾燥する際に金属メッシュに凝集する性質を利用して、グリッド状に銀ナノ粒子をパターニングさせた。その後、銀ナノ粒子を塩化水素蒸気に晒して導電性を向上させ、室温で透明導電膜を作製した。さらに、透明導電膜上にEL素子を作製し、デモを行った。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C1JM13174E

 

●三菱化学、有機薄膜太陽電池の実用化めど (日刊工業新聞より)

2011年8月31日

三菱化学は、有機薄膜太陽電池の実用化にめどをつけ、量産体制の整備を開始した。今年度中にも年産1MWの試験工場を着工し、軽くて曲げられるという特長も生かして、建材メーカーなどに2013年初頭に出荷する予定だ。

概要記事: http://www.nikkan.co.jp/news/photograph/nkx_p20110831.html

 

●Korea Institute of Science and TechnologyのHanら、銅ナノ粒子インクのマルチパルス焼結方法を開発 (Nanotechnologyより)

2011年9月6日

韓国、Korea Institute of Science and TechnologyのHanらは、白色光のマルチパルスを用いて、粒子径30nmの銅ナノ粒子インクを焼結させる方法を開発した。必要以上のパルス光は、基板と銅インクの薄膜にダメージを与えた。しかし、32J/cm^2のパルスエネルギーを銅薄膜に3~4 msec照射すると、電気伝導率約350kS/mの銅薄膜が作製できた。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/39/395705/

 

●University of LeedsのIan Ward FRSら、リチウム電池用高分子ゲルを開発 (University of Leedsプレスリリースより)

2011年9月9日

イギリス、University of LeedsのIan Ward FRSらは、パフォーマンスを損なうことなく、安価なリチウム電池に使用できる新しいタイプの高分子ゲルを開発した。特許取得済みのextrusion/lamination法を用いて、従来必要であったセパレーターを無くし、薄型化を達成した。

http://www.leeds.ac.uk/news/article/2409/polymer_batteries_for_next-generation_electronics

 

●Tsinghua UniversityのHu Anmingら、PVPで被覆された銅ナノ粒子を用いた低温接合技術を開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年9月9日

中国、Tsinghua UniversityのHu Anmingらは、 PVP(Polyvinylpyrrolidone)で被覆された銅ナノ粒子を用いた低温接合技術を開発した。PVPは空気中における銅ナノ粒子の酸化を防止する役割を果たしている。筆者らは、PVPで被覆された銅ナノ粒子を用いて、170℃の低温で銅パッドと銅配線の強固な接合を得た。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C1JM12108A

 

●PlasticLogic、電子ブックを用いた電子教科書「Plastic Logic 100」を発表 (PlasticLogicプレスリリースより)

2011年9月12日

アメリカ、Plastic Logicは、軽くて、長寿命、大画面の電子ブック媒体を中心とした教育支援システム「Plastic Logic 100」を発表した。ロシアRUSNANO、英国貿易投資(UKTI)主催イベントでの発表では、ロシア国内での試験的な導入が濃厚となっている。

http://www.plasticlogic.com/news/pr_education_announce_sep122011.php

2010年9月16日付PEヘッドライン記載記事参照

http://premier.gov.ru/eng/events/news/16215/

 

●IIMAK社、プリンテッドエレクトロニクス用導電性インクを開発 (IIMAKプレスリリースより)

2011年9月12日

アメリカ、IIMAK社は、銀の代価材料を用いた新しいタイプの導電性スクリーンインク「Dubbed Metallograph conductive inks」を発表した。低温、短時間で導電性が発現することから、フレキシブル回路、ディスプレイ、およびエレクトロルミネセンス照明など、いくつかのプリンテッドエレクトロニクスのアプリケーションでの利用が期待されている。

http://www.iimak.com/about-us/news-items/iimak-conductive-inks-for-printed-electronics-industry

 

●Chemnitz University of TechnologyのArved Hublerら、紙の上に有機太陽電池を印刷 (Advanced Energy Materialsより)

2011年9月14日

ドイツ、Chemnitz University of TechnologyのArved Hublerらは、グラビア印刷とフレキソ印刷を組み合わせて、紙の上に有機太陽電池を作製した。作製した太陽電池の構造は、Paper/ 接着層/ ZnO/ Zn/ ZnO/ P3HT: PCBM/ PEDOT: PSSである。筆者らは、ITO、金、銀などの高価な物質を必要としない太陽

電池の作製に成功した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/aenm.201100394/abstract

 

●G24i、8000枚もの太陽電池をホテルに設置 (G24 Innovationsプレスリリースより)

2011年9月14日

世界的なフレキシブル色素増感太陽電池メーカーであるG24i (イギリス、G24Innovations)は、世界的にホテルチェーンを展開するSkycoシェーディングシステムズ社(アメリカ)と共同で、8,000枚以上のホテルの窓に太陽電池を設置することを発表した。集光された電力はワイヤレスで、屋内光に変換される。

http://www.g24i.com/press,g24i-and-skyco-providing-wireless-solar-power-solutions,211.html

 

●Sungkyunkwan UniversityのYoung Hee Leeら、グラフェンやCNTで作製した電子デバイス特性を比較し、総説を発表 (Advanced FunctionalMaterialsより)

2011年9月14日

韓国、Sungkyunkwan UniversityのYoung Hee Leeらは、グラフェンやCNT(Carbon Nanotube)の総説を発表した。グラフェンやCNTの電気的特性および、それらの導電性材料で作製した透明導電膜や電界効果トランジスタの電子デバイス特性を比較している。低次元かつ同素体であるグラフェンやCNTは、従来の半導体に比べ、電気的、光電子的および機械的特性に優れている。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101241/abstract

 

●NanoMarkets社、銀ベース透明導電体市場が2016年までに5億4000万ドルを上回る規模になると報告 (NanoMarkets社プレスリリースより)

2011年9月15日

アメリカ、NanoMarkets社は、銀ベース透明導電体市場に関する報告書の販売を開始した。この報告書によると、銀ベース透明導電体市場は2016年までに5億4000万ドルを上回る規模になる。本報告書では、タッチスクリーンディスプレイ、有機発光ダイオード、電子ペーパー、有機太陽電池、帯電防止剤などの開発につながる銀インクおよび銀薄膜に対する需要を分析している。

http://www.nanomarkets.net/news/article/silver_based_transparent_conductors_market_to_surpass_540_million_by_2016

 

●東京大学の染谷ら、4Vで作動するフレキシブル点字ディスプレイを開発 (Advanced Functional Materialsより)

2011年9月19日

東京大学の染谷らは、有機SRAM(Static Random Access Memory)アレイと、有機TFTで駆動するカーボンナノチューブのアクチュエータを組み合わせ、シートタイプの点字ディスプレイを開発した。誘電体であるアルミニウム酸化物の形成時間を調整することにより、有機TFTのしきい値電圧の体系的な制御が可能となる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101050/abstract

 

●Holst Centre社とn-Tact社、ロール・トゥー・ロール技術で提携 (n-Tact、Holst Centreプレスリリースより)

2011年9月20日

フレキシブルエレクトロニクスに注力しているオランダ、Holst Centre社と、コーティング技術を専門とするアメリカ、n-Tact社がフレキシブルエレクトロニクスの分野で提携すると発表した。n-Tactのロール・トゥー・ロール技術を用いて有機EL照明や有機太陽電池の製造を進めていく。

http://www.ntact.com/press-releases/Final-Holst-Partnership-Press-Release-1.pdf

http://www.holstcentre.com/en/NewsPress/PressList/nTact.aspx

 

●Printed Electronics Europe 2012が4月3、4日にドイツのベルリンで開催 (IDTechEx プレスリリースより)

2011年9月21日

IDTechExが主催するPrinted Electronics Europe 2012が、4月3、4日にドイツのベルリンで開催される予定。30ヵ国以上の国々から100以上の出展と1200人以上の出席者が来場する予定である。化学、ヘルスケア、軍事、広告および出版といった多種多様なプリンテッドエレクトロニクス技術が集まる。

http://www.idtechex.com/printed-electronics-europe-12/pe.asp

 

●大日本印刷、ジャックスと共同で、NFC対応の携帯電話を用いた実証実験を開始 (大日本印刷ニュースリリースより)

2011年9月21日

大日本印刷は、ジャックスと共同でNFC(Near Field Communication)対応の携帯電話を用いて、国際標準規格ISO/IEC14443「TypeA/B」に準拠した非接触型IC技術の関する実験を2011年9月22日から開始する。本番環境における処理動作の検証、および利用面、運用面の検証を行う。

http://www.dnp.co.jp/news/10011023_2482.html

 

●韓国の技術標準院、ITCにTCを設立 (韓国中央日報より)

2011年9月22日

韓国の技術標準院は、ITC(International Electrotechnical Commission)にTC(Technical Committee)を設立すると発表した。今回設立するTCは、印刷電子分野での初TCであるため、非常に大きな意味がある。今後、印刷電子分野国際標準化の加速化が期待される。

注意:下記ページは、韓国語です。

http://article.joinsmsn.com/news/article/article.asp?total_id=6273399&ctg=1105

 

●Beijing National Laboratory for Molecular Sciences、Zhiliang Zhangら、単分散銀ナノ粒子の合成法を開発 (Nanotechnologyより)

2011年9月22日

中国、Beijing National Laboratory for Molecular Sciences のZhiliang Zhangらは、アジピン酸ヒドラジンとおよびデキストロースからなる新たな還元方法で、単分散銀ナノ粒子を合成した。この銀ナノ粒子インクは、市販のプリンターでインクジェット印刷し、160℃、30分加熱すると、約9×10^-6Ωcm(銀バルクの5倍)を示した。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/42/425601

 

●Duke UniversityのBenjamin J. Wileyら、銅ナノワイヤを用いたフレキシブル透明導電膜をプラスチック基板上に作製 (Advanced Materialsより)

2011年9月23日

アメリカ、Duke UniversityのBenjamin J. Wileyらは、銅ナノワイヤを用いたフレキシブル透明導電膜をプラスチック基板上に作製した。この銅ナノワイヤ透明導電膜は、銅ナノワイヤ分散液をプラスチック基板上にバーコートして作製された。この透明導電膜は、透過率:85%、シート抵抗:30Ω/□、さらに良好なフレキシブル性を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201102284/abstract

 

●Eight19、発展途上国でプリペイド方式のエネルギー供給サービスを開始 (Eight19プレスリリースより)

2011年9月27日

イギリス、印刷太陽電池会社Eight19は、発展途上国に向けたエネルギー供給サービスを開始した。発展途上国の送電網が未整備の地域では、照明に灯油が使われており、太陽光発電システムを導入しようにも初期投資額が大きかった。Eight19は、プリペイド方式を採用し、初期費用が無料で、使用量に応じた低額の料金を実現した。

http://www.eight19.com/news-events/eight19-launches-indigo-pay-you-go-solar-power

 

●Nankai UniversityのYongsheng Chen ら、グラフェン有機太陽電池の総説を発表 (Advanced Materialsより)

2011年9月29日

中国、Nankai UniversityのYongsheng Chen らは、グラフェン有機太陽電池に関する総説を発表した。グラフェンは、有機太陽電池中の透明導電膜や活性層、接合界面として用いられており、著者らは、グラフェンが有機太陽電池の開発の重要な役割を担うとし、今後、グラフェンの研究開発すべき分野などを提言している。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201102735/abstract

 

●National University of SingaporeのJianyong Ouyangら、SWCNTのゲルコート法で透明・導電フィルムを作製 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年9月30日

シンガポール、National University of SingaporeのJianyong Ouyangらは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を非イオン界面活性剤に分散させたゲルを、ガラス基板上にコートし、薄膜を作製した。480-520度で加熱したSWCNTフィルムは、シート抵抗:250Ω/□、透過率:80%であった。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C1JM12659H

 

●産業技術総合研究所の星野聰ら、印刷技術で作成した柔らかい熱電変換素子を開発 (産総研プレスリリースより)

2011年9月30日

産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センターの星野聰らは、フレキシブル基板上に熱電変換素子を印刷で形成する技術の開発に成功した。本技術は、熱電変換素子をフィルム状素子とし高い柔軟性を付与することで、設置箇所の形状に制約されずに設置できるようにするものである。また、印刷による製造プロセスの低コスト化、省資源化が可能となる。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110930/pr20110930.html

 

●NEDO・高知工科大学、ITOの代替材として酸化亜鉛を用いて鮮明画像の実現に成功 (NEDOプレスリースより)

2011年9月30日

NEDOは、ZnOを透明電極として実装した20インチ型LEDバックライト液晶ディスプレイテレビを試作し、10月5日から幕張メッセで開催されたCEATEC2011に出展した。この試作品は、インジウムの使用量を50%以上減らすと共に、より鮮明な画像を実現した。今後、インジウムを全く使わない液晶ディスプレイテレ

ビの実現を目指す。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100052.html

 

●コニカミノルタ、世界最高レベルの発光効率をもつ有機EL照明パネル「Symfos」のサンプルキット発売開始 (コニカミノルタプレスリリースより)

2011年10月3日

コニカミノルタは、リン光発光材料のみを使用し、世界最高レベルの発光効率を実現した有機EL照明パネルをサンプルキットとして発売すると発表した。今回発売するサンプルキット「Symfos OLED-010K」に合わせ、有機EL照明専用のウェブサイトを開設し、サンプルキットの私用や実績の紹介、注文受付を同ウェブサイト上で行う。

http://www.konicaminolta.jp/about/release/2011/1003_02_01.html

 

●産業技術総合研究所の徳久英雄ら、結晶シリコン太陽電池用の銅ペーストを開発 (産総研プレスリリースより)

2011年10月4日

産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センターの徳久英雄らは、有限会社 ナプラが開発した、低温プロセス用銅ペーストを利用して、低損傷印刷製造技術による結晶シリコン太陽電池の配線・電極の形成に成功した。この銅ペーストは、ナプラが開発した偏析しない均一組成のナノコンポジット構造粒子作製法によって作った低融点合金粒子と銅粉末を混合して作製した。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20111004/pr20111004.html

 

●凸版印刷とサントリーフーズ、電子ペーパー搭載の自動販売機を設置 (凸版印刷、サントリーフーズプレスリリースより)

2011年10月5日

凸版印刷とサントリーフーズは、省電力の電子ペーパーサイネージ「まちコミ(※)」を搭載する自動販売機を開発。この「まちコミ」自動販売機を、仙台市の協力のもと仙台市内の仮設住宅7ヶ所で、地域情報インフラとして活用する可能性を探る実証実験を2011年9月26日から開始している。

※電子ペーパーサイネージ「まちコミ」とは凸版印刷が提供する、低消費電力の電子ペーパーを活用した新しい情報配信サービスです。2008年12月に商用化、現在では仙台市地下鉄のホームの対向 壁に設置した大型の電子ペーパーサイネージに、地域に密着したニュースや天気予報などの情報とともに広告情報を配信し、運営しています。

http://www.suntoryfoods.co.jp/pdf/news_111005.pdf

http://www.toppan.co.jp/news/newsrelease1279.html

 

●E Ink Holdings, Inc.、電子ペーパー等の売り上げで昨年度比143%の成長率を達成 (EInk Holdings, Inc.プレスリリースより)

2011年10月5日

アメリカ、E Ink Holdings, Inc.は今年度の9月決済で、昨年度に比べて143%の成長率を達成したと発表した。Amazon、Barnes & Noble、Kobo や Sonyなどの顧客が2011年にE Ink Holdings, Inc.製の電子ペーパーを搭載したeリーダーを発売したことが大きく影響した。E Ink Holdings, Inc.は、10月26-28日に横浜で開催されるFPDインターナショナルで、最新のeリーダーモデルを展示する。

http://www.eink.com/press_releases/e_ink_september_sales_record_101111.html

 

●Massachusetts Institute of TechnologyのPaula T. Hammondら、蓄電デバイスに向けてMWNTsとポリアニリンナノファイバーのLbL層状フィルムを作製(ACS Nanoより)

2011年10月7日

アメリカ、Massachusetts Institute of TechnologyのPaula T. Hammondらは、高容量・高出力のマイクロ蓄電デバイスに向けて、多層カーボンナノチューブ(MWNTs)とポリアニリンナノファイバー(PaNi)のlayer-by-layer(LbL)層状フィルムを作製した。このLbL-PANi/MWNTsフィルムを電極としたリチウム電池は、238±32 F/cm3の高出力、210mAh/cm3の高容量を実現した。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2029617

 

●Purdue UniversityのChangwook Jeongら、金属ナノワイヤをパーコレーションドーピングしたグラフェン透明導電膜を予測 (ACS Nanoより)

2011年10月10日

Purdue UniversityのChangwook Jeongらは、多結晶グラフェンと金属ナノワイヤのハイブリッド透明導電膜のシミュレーションに関する論文を発表した。多結晶グラフェンは、結晶粒界の抵抗が大きいため、その導電性は低い。筆者らは、金属ナノワイヤがグラフェン同士を橋渡しすると、その透明導電膜は高い透明性を保ったまま、導電性を向上することをシミュレーションで示した

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl203041n

 

●産総研など、極低酸素還元技術により低抵抗な微細銅配線を作製 (産総研プレスリリースより)

2011年10月11日

(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業において、(株)SIJテクノロジ、(株)イオックス、日本特殊陶業(株)、(地独)大阪市立工業研究所、(独)産業技術総合研究所は、インクジェット方式による直接描画および極低酸素還元技術を用いて、線幅5mm、配線抵抗率8.1μΩ・cmの超微細配

線を作製した。将来的には、携帯電話やICタグに利用される次世代IC基板や超小型プリント基板などへの展開が期待できる。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20111011_2/pr20111011_2.html

 

●産総研の畠賢治ら、極少量の単層カーボンナノチューブを添加した導電性樹脂を開発 (産総研プレスリリースより)

2011年10月12日

産業技術総合研究所の畠賢治らは、単層カーボンナノチューブ(CNT)を樹脂中に分散させる方法を開発し、母材としてゴムを用いた場合、わずか0.01重量%の添加量で10-3S/cmの体積導電率を達成した。導電性樹脂は、スーパーグロース法を用いて合成した高純度の単層CNTを含む領域(導電領域)と単層CNTが全く含まれない領域(非導電領域)を有している。そして、導電領域が連続して導電経路を形成するようにゴムに混ぜ込んだため、単層CNTの添加量を少量に抑えながら高い導電率が得られた。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20111012_3/pr20111012_3.html

 

●Georgia Institute of TechnologyのZhong Lin Wangら、ZnOナノワイヤ/ポリスチレンナノファイバを用いた歪みセンサを開発 (AdvancedMaterialsより)

2011年10月17日

アメリカ、Georgia Institute of TechnologyのZhong Lin Wangらは、polydimethylsiloxane filmの上にZnOナノワイヤ/ポリスチレンナノファイバを用いた歪みセンサを作製した。大きな歪みに対応するこのセンサは、素早い人の動きに対して高い反応性を示し、太陽電池で作動できた。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103406/abstract

 

●大日本スクリーンとリンテック、シースルーグラフィックスのビジネス展開に関する協業を開始 (大日本スクリーンニュースレターより)

2011年10月17日

大日本スクリーン製造株式会社とリンテック株式会社は、シースルーグラフィックスの印刷システム、及び出力素材の販売に関する協業に合意した。シースルーグラフィックスとは、英国・コントラビジョン社がライセンスを保有するサインディスプレー手法の一つで、公共交通機関や店舗のガラス面の広告に使用される。

ガラスの視認性を保ちながら、表裏で異なるデザインを表現できる。

http://www.screen.co.jp/press/pdf/MP_NL111017.pdf

 

●Molecular Solar Ltd. 、開放電圧4ボルトを超える有機太陽電池を開発 (Warwick universityプレスリリースより)

2011年10月17日

イギリス、Molecular Solar Ltd.は、開放電圧4ボルトを超える有機太陽電池セルを開発した。これは商用向けに十分に使用可能なレベルであり、製品化に向けて最終調整を行っている。Molecular Solar Ltd.は、Warwick university からスピンオフした企業である。

http://www2.warwick.ac.uk/newsandevents/pressreleases/new_record_voltage/

 

●Stanford UniversityのZhenan Baoら、有機半導体の曲げひずみ効果を力学的に考察 (Advanced Functional Materialsより)

2011年10月21日

アメリカ、Stanford UniversityのZhenan Baoらは、ポリマー型誘電体上に形成された有機半導体の曲げひずみ効果を力学的に考察した。ポリマー型誘電体の形状変化や、半導体の化学構造が、ひずみ効果による移動度向上に影響する。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101418/abstract

 

●Nankai UniversityのYongsheng Chenら、ベンゾジチオフェンを有する共役低分子を用いて高効率太陽電池を作製 (Advanced Materialsより)

2011 年10月21日

中国、 Nankai UniversityのYongsheng Chenらは、ベンゾジチオフェンを有する共役低分子で、高効率なバルクヘテロ接合太陽電池を作製した。有機太陽電池はスピンコート法で作製され、共役低分子はドナーとして用いられた。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201102790/abstract

 

●Stanford UniversityのZhenan Baoら、透明伸縮性CNTフィルムを用いて皮膚のような圧力・歪みセンサーを作製(Nature Nanotechnologyより)

2011年10月23日

アメリカ、Stanford UniversityのZhenan Baoらは、あらかじめ伸ばした基板へ、カーボンナノチューブをスプレーコートして、伸縮性を持つ透明導電フィルムを作製した。スプリング状に変形したカーボンナノチューブは、150%までの歪みに対応し、伸ばした状態で導電率2200Scm-1を示した。このフィルムを電極として利用して、透明で伸縮性のある圧力・歪みセンサーを作製した。

http://www.nature.com/nnano/journal/vaop/ncurrent/abs/nnano.2011.184.html

 

●National Taiwan UniversityのYing-Chih Liaoら、2種類のインクをインクジェット印刷し、基板上で銀析出した配線を作製(Journal of Materials Chemistryより)

2011年10月24日

台湾、National Taiwan UniversityのYing-Chih Liaoらは、銀アンモニア錯イオンインクとアルデヒドインクを別々にインクジェット印刷し、基板上で混ぜ合わせる方法で銀配線を作製した。2種類のインクは銀鏡反応を起こして、線幅90m、厚み200nmの配線となった。作製した配線は、風乾後はバルク銀の6%の導電性を、150℃で1時間加熱するとバルク銀の14%の導電性を示した。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/jm/c1jm13506f

 

●トッパン・フォームズ、プラスチックに立体的に印刷する技術を開発 (日刊工業新聞より)

2011年10月26日

トッパン・フォームズ株式会社は反射率が高く光沢のある「銀塩インキ」で、プラスチックに立体的に印刷する技術を開発した。回路基板の前段階であるテスト用基板の印刷配線が可能になるなど、デジタル家電などの性能向上が期待できる。2012年度にサンプル出荷を開始し、13年度の実用化を目指す。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320111026bjbc.html

 

●日本電気硝子、ロール・ツー・ロール向けに厚さ40μmのガラスを公開 (Tech-On!より)

2011年10月26日

日本電気硝子株式会社は、ロール・ツー・ロール方式でのディスプレイ生産に向け、厚さ40μmのガラス・ロール(ガラスをロール状に巻いたもの)を試作した。樹脂フィルムと比較して、このガラスは耐熱性や光学特性、電気絶縁性、ガスバリア性、耐候性に優れていた。さらに、コストは高機能の樹脂フィルムと同等に抑えることが可能である。このガラスは太陽電池や有機EL照明、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルなどへの応用が期待される。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111026/199823/?ST=fpd&ref=rss

 

●Georgia Institute of TechnologyのChing Ping Wongら、水性導電接着剤を開発(Advanced Functional Materialsより)

2011年10月31日

アメリカ、Georgia Institute of TechnologyのChing Ping Wongらは、フレキシブルプリント基板に応用可能な、水ベースの等方性導電性接着剤を開発した。この導電性接着剤は、銀フィラーの表面ヨウ素化や微量添加NaBH4による還元処理によって、きわめて低い電気抵抗(80cm)を達成した。さらに、この導電性接着剤は85˚C85%RHの条件下で少なくとも1440時間は安定しており、エレクトロニクスアプリケーションに十分仕様できる性能である。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101433/abstract

 

●Aculon、導電性ナノ粒子インクの特許を取得(Aculonプレスリリースより)

2011年10月31日

アメリカ、Aculonは、米国特許商標庁(USPTO)から、金属ナノ粒子を含有した導電性インクの特許を得たことを発表した。特許を取得したインクは、金属ナノ粒子の他に有機リン酸が含まれており、基板との密着性に優れている。

 

●ニッシン、金属ナノ粒子インク用のプラズマ焼結装置を開発(SankeiBizより)

2011年11月1日

株式会社ニッシンは、金属ナノ粒子インクのプラズマ焼結装置「Micro Labo-PS」の販売を開始した。金属やプラスチック材料の表面処理などに使われるマイクロ波プラズマ技術を応用し、低温での焼結と基材へのダメージの低減、時間短縮を実現した。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/111101/bsl1111010505004-n1.htm

 

●PragmatIC PrintingとInnovia Films、印刷回路を実装したボトルラベルを開発(PragmatIC Printingプレスリリースより)

2011年11月2日

イギリス、PragmatIC Printing Ltd.とInnovia Films Ltd.は、二軸延伸ポリプロピレン基材に電子回路が印刷されたボトルラベルを開発した。ボトルを持ち上げると、ボトルラベルが点灯するデモ機が作製された。今後は消費者に役立つアプリケーションを実装する。

http://www.pragmaticprinting.com/userfiles/file/Innovia-PragmatIC-PR-111102.pdf

 

●Arizona State UniversityとCity University of Hong Kong、フレキシブルエレクトロニクス分野で提携(Arizona State Universityプレスリリースより)

2011年11月2日

Arizona State UniversityとCity University of Hong Kongは、フレキシブルエレクトロニクス分野での提携を11月2日から開始した。Arizona State Universityの最先端アモルファスシリコン薄膜トランジスタ技術、City University of Hong Kongのシリコンナノワイヤー技術を用いて最先端のフレキシブルデバイス技術の確立を目指す。

http://asunews.asu.edu/20111107_cityu

 

●Hanyang UniversityのJong-Man Kimら、共役ポリマー前駆体をインクジェット印刷して、紙の上にサーモクロミック素子を作製(Advanced Materialsより)

2011年11月3日

韓国、Hanyang UniversityのJong-Man Kimらは、共役ポリマー前駆体をインクジェット印刷し、紙の上にサーモクロミック素子を作製した。ジアセチレン界面活性剤を含んだインクは、UVを照射すると青色のポリジアセチレン構造へと変化した。印刷したポリジアセチレンは、温度変化によって赤と青の色を発現でき、可逆的にも不可逆的にも色を変更できる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103471/abstract

 

●University of California Los AngelesのQibing Peiら、銀ナノワイヤ-ポリマーコンポジット透明電極上に燐光PLEDを作製(Advanced Materialsより)

2011年11月3日

University of California Los AngelesのQibing Peiらは、青・緑・赤色の燐光PLEDを銀ナノワイヤ透明電極上に作製した。ITOガラス上PLEDと比較すると、このPLEDの発光効率は20-50%高く、高輝度での発光効率の減衰も小さかった。青色PLEDは曲率半径1.5mmで繰り返し曲げても、特性がほぼ一定だった。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103180/abstract

 

●Vorbeck Materials Corp.、グラフェンインクの商業展開を2012年から開始予定(Printed Electronics Worldより)

2011年11月4日

アメリカ、Vorbeck Materials Corp.は、アメリカIDTechExのインタビューでグラフェンベースの導電性インクVor-Ink及びVor-Inkを用いた画期的な商用アプリケーションについて語った。現在、Vor-Inkはフィールドテストの最終段階であり、2012年から米国の主要小売店で販売を予定している。

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/first-appearance-of-graphene-ink-in-commercial-application-00003886.asp?rsstopicid=89

 

●凸版印刷、3色表示の電子ペーパー開発 (日刊工業新聞より)

2011年11月8日

凸版印刷株式会社と台湾の電子ペーパーメーカーのパーベイシィブディスプレイズ(PDI)は共同で、白黒2色に1色を加えて計3色表示出来る「モノカラー電子ペーパー」を開発した。カラー配色は赤、青、緑、黄色の4色から選択できる。この技術は、PDIの電子ペーパーと凸版製のカラーフィルターを組み合わせた。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320111108bjar.html?news-t1108

 

2011/04/01 No.23-27(2011年4-7月)

 

●Cambrios TechnologiesとSynaptics、 透明導電膜のリファレンスデザインパートナー契約を締結 (プレスリリースより)

2011年4月6日

Cambrios Technologies(カナダ)の透明導電膜「ClearOhm」とSynaptics(カナダ)の集積技術を取り入れて、両社はリファレンスデザインパートナー契約を締結した。

http://www.cambrios.com/206/Synaptics_Agreement.htm

http://www.synaptics.com/ja/about/press/press-releases/cambrios-and-synaptics-enter-agreement-accelerate-use-clearohm%E2%84%A2-conductiv

リファレンスデザインとは、

http://e-words.jp/w/E383AAE38395E382A1E383ACE383B3E382B9E38387E382B6E382A4E383B3.html

 

●富士フィルム、銀塩写真技術を応用した透明導電性フィルム「EXCLEAR」の特性・性能を紹介 (月刊ディスプレイより)

2011年5月1日

富士フィルムは、2009年に開発した透明導電性フィルム「EXCLEAR」について、特徴・性能および応用技術を紹介した。

EXCLEARは、銀塩写真技術に基づいたパターニング技術によって様々な太さや密度で自由にパターニングした微細メッシュ配線と、無機・有機の補助導電材料と組み合わせることで、1Ω/□から数百Ω/□までの幅広い表面抵抗値を実現している。

http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0281.html

 

●Chinese Academy of SciencesのHui-Ming Chengら、添加剤が不要なカーボンナノチューブ分散液で透明導電膜を作製 (Advanced Functional Materialsより)

2011年5月2日

中国、Chinese Academy of SciencesのHui-Ming Chengらは、添加剤が不要なカーボンナノチューブ(CNT)分散液で透明導電膜を作製した。

従来、CNTを分散させるために添加剤が用いられていたが、今回、CNTを発煙硫酸と硝酸で処理することで、添加剤が不要なCNT分散液の作製に成功した。

この分散液から作製した透明導電膜は、シート抵抗76Ω/□・透過率82%、またはシート抵抗133/□・透過率90%を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201002257/abstract

 

●Polychem UV/EB International、新たな透明導電膜作製技術を開発 (Printed Electronics Worldより)

2011年5月3日

台湾、Polychem UV/EB Internationalは、低粘度で透明なPEDOT系導電性ポリマーインクを用い、ラインアンドスペース85μmのパターン化透明導電膜を作製した。

透明導電膜のシート抵抗は100-500Ω/□で、光透過率は85-97%である。

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/polychem-uv-eb-new-patterning-methods-00003382.asp?rsstopicid=89&sessionid=1

 

●Drexel UniversityのDandekarら、透明なアンテナ「SheerFlex」を開発 (IEEE the Instituteより)

2011年5月6日

アメリカ、Drexel UniversityのDandekarらは、透明基板に導電性ポリマーインクをインクジェット印刷することで透明なアンテナを開発した。

このアンテナは、「SheerFlex」として製品化され、健康状態の監視や万引き防止、軍隊の追跡などへの活用が期待されている。

http://goo.gl/jYShe

http://wireless.ece.drexel.edu/~prathap/metatenna/index.php

 

●トッパン・フォームズ、小型・薄型のバッテリーレス電子ペーパーラベルを開発 (トッパン・フォームズのプレスリリースより)

2011年5月11日

トッパン・フォームズは、バッテリーレスで表示内容の無線書き換えが可能な電子ペーパーラベルを開発した。

この電子ペーパーラベルは、最厚部で厚さが0.5mmと薄く、積層構造化により小型化を実現した。

http://www.toppan-f.co.jp/news/2011/0511.html

 

●Thin Film Electronics、玩具向けに印刷メモリの受注を開始 (Printed Electronics Worldより)

2011年5月12日

Thin Film Electronicsは、不揮発性で書き換え可能な印刷メモリの試作品を玩具メーカーから受注した。

試作品の納品は、2011年の第2四半期を予定している。

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/thinfilm-receives-engineering-orders-for-prototypes-00003375.asp?rsstopicid=89&sessionid=1

 

●E Inkとエプソン、高精細電子ペーパーデバイスを共同開発 (プレスリリースより)

2011年5月16日

E Inkとエプソンは電子ペーパータブレットが実現できる「高精細電子ペーパーデバイス」を共同開発した。

E Inkは世界最高解像度300dpiの高精細電子ペーパーディスプレイを作製し、エプソンは高速表示や快適な操作性を可能にするプラットフォームを開発した。

http://www.epson.jp/osirase/2011/110517_2.htm

http://www.eink.com/press_releases/eink_epson_high_resolution_051611.html

 

●Hong Kong UniversityのCheng Yangら、簡便で高収率・高性能な銀ナノワイヤ作製方法を開発(Advanced Materialsより)

2011年5月17日

中国、Hong Kong UniversityのCheng Yangらは、銀ナノワイヤを簡便で高収率な合成法を開発した。

また、銀ナノワイヤを使って、紙基板上にRFIDタグやLEDチップを搭載し、折り紙のように折り畳める3Dデバイスも試作した。

銀ナノワイヤ液に布を浸漬させ、作製されたフィルムの導電率は5×10^6 S/mである。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100530/abstract

 

●ソニー、13.3型の曲がるカラー電子ペーパーを開発 (Tech-Onより)

2011年5月18日

ソニーは、プラスチック基板で厚さ150μm以下、重さ20g以下の曲がるカラー電子ペーパーを開発した。

電子ペーパーの大きさは13.3型、色域はNTSC比13%、反射率は10%、である。

また、コントラスト比は10対1を超え、1画素はRGBWの4色のサブピクセルから成り、画素数は800×1200である。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110518/191893/?ST=fpd&ref=rss

 

●Royal Philips Electronics 、OLED照明生産拠点へ4000万ユーロを投資 (Royal Philips Electronicsのプレスリリースより)

2011年5月18日

オランダ、Royal Philips Electronicsは、ドイツ・アーヘンのOLED照明生産拠点へ新たに4000万ユーロ(約46億円)を投資する。

この投資により、高性能な装飾用OLED照明モジュールの開発を目指し、2012年からの生産開始を計画している。

http://www.newscenter.philips.com/main/standard/news/press/2011/20110518_oled.wpd

 

●Tsinghua UniversityのHe Tianら、Graphene-on-Paper Sound Source Devicesを開発(ACS Nanoより)

2011年5月19日

中国、Tsinghua UniversityのHe Tianらは、レーザーでパターニングしたグラフフェンを紙基板上へ転写し、音源デバイスを開発した。

この音源デバイスは、熱音響現象を利用したもので、20-50kHzの音域でフラットな音圧レベルを示す。

http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/nn2009535

 

●Tsinghua UniversityのKai Liuら、一軸配向したカーボンナノチューブ膜で伸縮可能な透明導電膜を作製(Advanced Functional Materialsより)

2011年5月19日

中国、Tsinghua UniversityのKai Liuらは、一軸配向したカーボンナノチューブ膜を、層状に重ね、伸縮可能な透明導電膜を作製した。

この透明導電膜へポリビニルアルコールをディップコートした場合、引張荷重が増加した。

また、透明導電膜をPDMSへ埋め込んだ場合、伸縮時に可逆的な電気特性を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201100306/abstract

 

●Innovalight、米エネルギー省の財政支援で、シリコンインクと高効率太陽電池の開発・生産を加速(Innovalightプレスリリースより)

2011年5月20日

アメリカ、Innovalightは、エネルギー省のSunShotイニシアティブ事業から340万ドル (約2.7億円)の財政支援を受け、シリコンインクおよび高効率太陽電池の開発・生産を加速する。SunShotイニシアティブとは、2020年までに太陽光発電システムの総コストを75%削減して1kW時あたり約6セントまで引き下げることを目標とするもので、全米で進められている事業である。

http://www.innovalight.com/press_releases/doe.htm

SunShotイニシアティブとは

http://www1.eere.energy.gov/solar/sunshot/

 

●Hong Kong Polytechnic UniversityのZijian Zhengら、高分子電解質で伸縮性導体を開発(Advanced Materialsより)

2011年5月20日

中国、Hong Kong Polytechnic UniversityのZijian Zhengらは、波上の銅薄膜をエラストマー基板上へ形成し、繰り返しひずみ時に安定した抵抗率を示す伸縮性導体を開発した。予め伸長させたエラストマー基板上へ高分子電解質ブラシを無電解析出させ、その後、基板の伸長を開放して波上の銅薄膜を形成した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101120/abstract

 

●Samsungの研究所、折りたたみ型やフレキシブルの有機ELにタッチ・パネルを一体化 (Tech-On!より)

2011年5月20日

韓国Samsungグループの研究所であるSamsung Advances Institute of Technology(SAIT)は、折りたたみ型やフレキシブルの有機ELに一体化できるタッチ・パネル技術を開発した。

有機ELパネルとタッチ・パネルの全体の厚さを薄くできる。SAITは今回、厚さ約1.2cmの対角4型の試作品を開発し、有機ELによる高画質の映像表示と投影型静電容量方式によるマルチタッチ入力を同時に実現できることを実証した。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110520/191973/

 

●大阪大学の竹谷ら、3次元構造でフレキシブルな有機FETを開発 (Advanced Materialsより)

2011年5月22日

大阪大学の竹谷らは、垂直型のチャンネルをプラスチック基板上に作製し、フレキシブルな有機FETを開発した。

このトランジスタは、チャンネル長さを短くし、250ns以内の動的スイッチング、および4MHzまでの周波数動作、0.2cm^2/ v/ sのキャリア移動度を達成した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101179/abstract

 

●Dyesol、経済産業省からR&D施設を設立するための補助金を得る(Dyesolプレスリリースより)

2011年5月25日

豪Dyesolは5月、日本国内に研究開発拠点を有する外資系企業への助成事業である、経済産業省の平成22年度 「アジア拠点化立地推進事業」に日本法人であるダイソル・ジャパンの事業が採択されたと発表した。

この助成事業において、Dyesolはアジア地域での色素増感太陽電池材料研究開発の中核となる新しい研究開発拠点にインテグレーションセンターを設置する。

経済産業省は、日本の経済成長に大きな刺激を与える可能性のある国際企業5社へ補助金を交付している。他には、ITサービスの大企業であるsalesforce.comなどが選ばれた。

http://goo.gl/PiazW

 

●Chinese Academy of SciencesのHui Biらは、CdTe太陽電池用のグラフェン透明導電膜を開発(Nanotechnologyより)

2011年5月30日

Chinese Academy of SciencesのHui Biらは、常圧化学気相成長でグラフェン透明導電膜を作製し、CdTe薄膜太陽電池を作製した。

グラフェン透明導電膜のシート抵抗は220 kΩ/□であり、透過率は83.7%である。太陽電池の移動度は600 cm2/V・s以上であり、変換効率は4.17%以上である。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100645/abstract

 

●Trinity College DublinのJonathan N Colemanらは、NbSe3ナノワイヤを用いた透明導電フィルムを開発(Nanotechnologyより)

2011年5月31日

Trinity College DublinのJonathan N Colemanらは、NbSe3ナノワイヤを界面活性剤で水中に分散させ、この分散液を塗布して透明導電フィルムを開発した。

この透明導電フィルムのシート抵抗は12 kΩ/□であり、透過率は 79%である。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/28/285202

 

 

●応用物理学会、フレキシブルエレクトロニクスの特集を発刊(応用物理学会誌より)

2011年6月

応用物理学会の機関誌「応用物理」では、ディスプレイや無線タグ、センサ、バッテリ、太陽電池などのフレキシブルエレクトロニクスに関して、アプリケーションの観点から特集記事を組んだ。

http://www.jsap.or.jp/ap/2011/ob8006/cont8006.html

 

●産業技術総合研究所の則包氏、光で溶ける有機材料を開発(産総研 TODAY Vol.11(2011)より)

2011年6月1日

産業技術総合研究所の則包氏は、通常では加熱によってだけ起きる固体から液体への状態変化を、光異性化によって起きることを示した。

この有機材料は、アゾベンゼンを環状に連結し、さらに長鎖アルキル基を導入した化合物であり、光異性化に伴って分子の形状が大きく変化する。

http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol11_06/p20.html

 

●JNC、次世代フラットパネルディスプレイ基板用の線膨張係数を抑える透明フィルム開発(化学工業日報より)

2011年6月2日

チッソ事業子会社のJNCは、次世代フラットパネルディスプレイ基板向けに、線膨張率を抑えた有機・無機ハイブリッド透明フィルムを開発した。

このフィルムの線膨張係数を実用水準の20ppm以下に抑えるとともに、複屈折率も業界トップクラスの低さを確保した。

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2011/06/02-2165.html

 

●University of MünsterのLifeng Chiら、ポリピロールナノベルトの電気的特性を向上(Smallより)

2011年6月3日

ドイツ、University of MünsterのLifeng Chiらは、幅50nm以下の1次元導電性ポリマーナノベルトを作成する方法を発表した。

ベルト幅が減少すると、ポリピロールのπ共役長さが増加して、その結果、それぞれのポリピル-ルナノベルトにおいて、導電性が向上することを確認した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201100090/abstract

 

●Nokia Research CenterのDi Weiら、グラフェンインクでフレキシブルな固体リチウム電池を開発(Jouranl of Materials Chemistryより)

2011年6月3日

フィンランド、Nokia Research CenterのDi Weiらは、グラフェン電極で固体リチウム電池を開発した。

グラフェンを、酸化グラフェンの化学的還元で作製し、p型やn型のアニオン基およびポリマーナトリウム塩で調整した。

調整されたグラフェン電極で作製した電池は、調整していないグラフェンに比べ、放充電の繰り返しに強く、開路電圧は3Vを超えた。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/C1JM10826C

 

●Thinfilm、日本支社を開設(Thinfilmプレスリリースより)

2011年6月6日

ノルウェー、Thinfilmは、笠原二郎氏(ソニーの元テクニカルディレクター)を代表として日本支社を開設した。

Thinfilmは、プリンテッドエレクトロニクスのパイオニアとして、多くの日本メーカーと緊密に協力していき、今後、新たな発展ステージを築きあげるという。

http://www.thinfilm.se/news/38-press-releases/262-thinfilm-opens-japan-office

 

●日本メクトロン、伸び縮みするフレキシブル基板を試作(Tech-On!より)

2011年6月6日

日本メクトロンは、伸び縮みするフレキシブル基板「ストレッチャブルFlexible Printed Circuits (FPC)」を展示会「JPCA Show 2011」(2011年6月1~3日)に参考出展した。

展示では、ロボットの腕に適用したり、人体に張り付けることを想定した試作品を見せていた。

ストレッチャブルFPCにセンサなどを実装すれば、ロボットが何かに触れた際に停止するといった用途に応用できる。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110606/192342/?ST=device&ref=rss

 

●School of Materials Science and EngineeringのTakhee Leeら、グラフェン電極を用いたフレキシブルな有機メモリデバイスを開発 (ACS Nanoより)

2011年6月12日

School of Materials Science and EngineeringのTakhee Leeらは、PET基板上に多層グラフェンで透明電極を作製し、有機メモリデバイスを開発した。

このメモリデバイスは、ワーム(Write Once Read Many)型の特性を示し、On/Off比は、10^6以上である。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn201770s

 

●Huaqiao UniversityのGuohua Chenらマイクロウェーブを用いた水溶性グラフェンの高効率な作製方法を開発 (Journal of Materials Chemistryより)

2011年6月13日

中国、Huaqiao UniversityのGuohua Chenらは、酸化グラフェンの還元とグラフト処理をマイクロ波で促進させ、水溶性グラフェンを高効率に合成する方法を開発した。

ポリアクリルアミド(PAM)分子鎖をグラフェンシートの表面にグラフト重合させて、シートの厚みや水溶性を制御した。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C0JM04564K

 

●Korea Research Institute of Chemical TechnologyのSunho Jeongら、酸化銅を正孔注入層とし、印刷で有機トランジスタ用電極を作製(Journal of Materials Chemistryより)

2011年6月17日

韓国、Korea Research Institute of Chemical TechnologyのSunho Jeongらは、酸化銅膜で覆われた銅ナノ粒子インクを印刷して有機薄膜トランジスタ用電極を作製した。

銅ナノ粒子の周りを覆っている酸化銅層は正孔注入層として機能し、作製されたトランジスタは金電極で作製されたトランジスタに匹敵する性能をもつ。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/C1JM11273B

 

●South Dakota School of Mines and TechnologyのLori Grovenら、ドライ状態で銀ナノ粒子の合成に成功 (Journal of Materials Chemistry)

2011年6月20日

米国、South Dakota School of Mines and TechnologyのLori Grovenらは、酢酸錫の粉末を利用して、ドライ状態で粒子径5-20 nmの銀ナノ粒子を合成した。

通常、ナノ粒子の合成中に大量に使用した分散剤を減らすために液体の水素化ホウ素ナトリウムを用いるが、Lori Grovenらは固体の酢酸錫粉末を用いた。

これによって、常温でも短時間に高収率の銀ナノ粒子作製が可能となった。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/c0jm04521g

 

●富士フイルム、産総研、高い耐熱性と絶縁性を両立したフレキシブル太陽電池の基板を開発(富士フイルムプレスリリース)

2011年6月20日

富士フイルムと産総研は、CIGS太陽電池の製造工程で要求される500℃以上の耐熱性と高い絶縁性を両立したフレキシブル太陽電池用基板を開発した。

フレキシブル基板を用いてCIGS太陽電池サブモジュールを開発し、光電変換効率15.0%を達成した。

http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0520.html

CIGS太陽電池とは、光吸収層に銅、インジウム、ガリウム、セレンからなる化合物半導体を用いた薄膜系太陽電池である。

 

●University of IllinoisのJennifer A. Lewisら銀インクペンで配線を作製(Advanced Materialsより)

2011年6月20日

University of IllinoisのJennifer A. Lewisらは、銀インクを充填したボールペンで紙基板に線を描いて銀配線を作製した。

銀インクは、硝酸銀溶液を還元した銀ナノ粒子(粒径: 400nm ± 124nm)を水系溶液に分散させたものである。描画した銀インク線を170℃以上で加熱すると、その体積抵抗率は4.34μΩcmとなる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101328/abstract

 

●The Hong Kong University のJang-Kyo Kimら、LB膜法を用いて、グラフェン透明導電膜を作製 (ACSNanoより)

2011年6月21日

香港、The Hong Kong University のJang-Kyo Kimらは、200μmの大きなグラフェン酸化物シートをLangmuir-Blodgett法(LB法)で層状に重ね、グラフェン透明導電膜を作製した。

グラフェン酸化物へ加熱とドーピング処理を行い、透過率90%、シート抵抗~500Ω/□の透明導電膜を作製した。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2018683

LB法とは、基板上へ分子レベルの薄膜を累積させる方法である。

 

●KAISTのMinyang Yangら、幅10μm・体積抵抗率3.6μΩcmの微細配線をプラスチック基板へ作製 (Journal of Micromechanics and Microengineeringより)

2011年6月21日

韓国のMinyang Yangらは、有機金属インクパターンをガラス基板上でレーザー焼結し、PET基板上へ転写した。

この方法により、幅10μm、体積抵抗率3.6μΩcmの配線が作製できた。

http://iopscience.iop.org/0960-1317/21/7/075017

 

●東大、色素増感型太陽電池で変換効率11.3%のセル試作 (日刊工業新聞より)

2011年6月22日

東大の瀬川浩司教授らの研究グループは、波長700nm以上の光を吸収しやすい色素を開発し、変換効率11.3%の色素増感型太陽電池セルを試作した。

今回開発した色素の性質に合わせて主要材料の一つの酸化チタンを改良することで、グレッツェルを用いた世界最高変換効率の12%を超える可能性がある。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720110622aaan.html

 

●Thinfilm、暗号化できるオール印刷メモリの販売を開始 (Thinfilmプレスリリースより)

2011年6月28日

Thinfilmは、不揮発性で書き換え可能なオール印刷メモリの販売を開始した。

このメモリは、Thinfilm製の標準メモリに比べて容量が倍増し、秘密文章などを暗号化できる。

http://www.thinfilm.se/news/38-press-releases/265-thinfilm-unlocks-encrypted-market-with-new-printed-memory

 

●FUJIFILM Dimatix 、プリンテッド・エレクトロニクス用大面積インクジェットプリンタを発表(FUJIFILM Dimatixプレスリリースより)

2011年6月28日

FUJIFILM Dimatixは、プリンテッド・エレクトロニクス用インクジェットプリンタ「DMP- 5005」をドイツで開催されたLarge-area, Organic & Printed Electronics Convention (LOPE-C)にて発表した。

プリンタは、500mm×500mmの大面積印刷が可能であり、カートリッジ5基で連続的な重ね塗りも可能である。

http://www.dimatix.com/news-events/press-releases.asp?display=detail&id=81

 

●University of MassachusettsのAlfred J. Crosbyら、UV硬化樹脂でパターン状のシワをもつフィルムを作製(Advanced Materialsより)

2011年7月1日

アメリカ、University of MassachusettsのAlfred J. Crosbyらは、UV硬化樹脂でフィルムを成型する際、フィルム表面上に形成した未硬化層の自己組織化を利用し、パターン状のシワを持つフィルムを作製した。シワの振幅は、フィルムの厚みや酸素濃度、光開始剤で約10μm~約60umに制御できる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101366/abstract

 

●National University of SingaporeのQing-Hua Xuら、常温で焼結可能な銀ナノ粒子インクを開発 (Chemistry of Materialsより)

2011年7月1日

シンガポールのQing-Hua Xuらは、エタノール溶媒銀ナノ粒子インクを、PET基板上に塗布・風乾し、シート抵抗0.29Ω/□の銀薄膜を作製した。

さらに、この銀薄膜を用いて有機太陽電池の試作を行った。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cm200471s

 

●PragmatIC Printing Ltd、印刷技術を用いたグリーティングカードを発売 (PragmatIC Printing Ltdプレスリリースより)

2011年7月1日

イギリスのPragmatIC Printing Ltdは、アニメーションが表示されるグリーティングカードを発表した。

印刷技術で作製された電子基板と電池がグリーティングカード内に内蔵されている。

http://www.pragmaticprinting.com/userfiles/file/PragmatIC%20Tigerprint%20PR%20110701.pdf

 

●パナソニック電工、凸版印刷、巴川製紙所、光学フィルムの事業連携と合弁会社設立(プレスリリースより)

2011年7月4日

パナソニック電工、凸版印刷、巴川製紙所の3社は、スマートフォンなどのモバイル機器や液晶ディスプレイに使用される光学フィルムの事業提携に合意し、反射防止フィルムなどを製造する合併会社を設立した。

http://www.toppan.co.jp/news/newsrelease1247.html

 

●アプライド・マイクロシステム、低粘度から高粘度の液体を微小量塗布できるシステムを開発・受注(日刊工業新聞より)

2011年7月4日

アプライド・マイクロシステムは、低粘度から高粘度の液体を(粘度:1~350Ps)、最小1plの単位で塗布できる「ニードルディスペンサー微小量塗布システム」を開発し、受注を始めた。

ニードル式ディスペンサーは、底に穴の開いた試料ホルダーに表面張力で液滴をため、ホルダー内をタングステンの針が上下にピストン運動して液体を転着する。非接触描画も可能である。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120110704baap.html

http://www.applied-micro-systems.net/ (アプライド・マイクロシステムHP)

 

●University of Southern DenmarkのLuciana Tavaresら、配向させた有機系ナノファイバーのロール転写技術を開発 (Smallより)

2011年7月4日

デンマークのLuciana Tavaresらは、パラヘキサフェニレン(p6p)ナノファイバーを特性変化させることなく、任意の基板に転写させる技術を開発した。

パラヘキサフェニレンはベンゼン系炭化水素であり、6つのフェニレン基(C6H4)によって構成されている。

この技術は、印刷プロセスに組み込むことができ、一度に数種類のナノフィバーを印刷できる。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201100660/abstract

 

●大阪大学の竹谷純一ら、大気中において高移動度と安定性を有した有機トランジスタを開発 (Advanced Materialsより)

2011年7月8日

阪大、竹谷純一らは、大気中での高い移動度と安定性を有したn-type有機トランジスタを開発した。この有機トランジスタは、N,N’-1H,1H-perfluoro¬butyldicyanoperylene carboxydi-imide (PDIF- CN2)をベースに作製されており、従来のn-type有機トランジスタの電子移動度の約10倍の電子移動度である1.3 cm2 V−1 s−1を達成した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101467/abstract

 

●MITのKaren K. Gleasonら、紙の上に有機太陽電池を作製 (Advanced Materialsより)

2011年7月8日

アメリカのKaren K. Gleasonらは、様々な紙基板上に酸化化学蒸着法を用いて有機太陽電池を作製した。

紙基板上に作製した有機太陽電池は、屋内照明下で電圧50 V以上を示し、折り曲げても特性を維持した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201101263/abstract

 

●昭和電工、耐熱透明フィルム「SHORAYAL」パイロットプラントを竣工 (昭和電工プレスリリースより)

2011年7月12日

昭和電工は、大分コンビナート内に進めていた「SHORAYAL®(ショウレイアル®)」 のパイロットプラント建設が完了したと発表した。

需要拡大が続くタッチパネル等のディスプレー向けにサンプル出荷を開始するとともに、本格的な量産出荷に向けマーケティング活動を加速する。

SHORAYALフィルムは、耐薬品性、高い透明性(全光線透過率:92%)、そして250℃の高温プロセスで使用可能な耐熱性を有している。

http://www.sdk.co.jp/news/2011/12361.html

 

●田中貴金属工業とズース・マイクロテック、金粒子のパターン転写・接合技術を開発 (田中貴金属、ズース・マイクロテックHPより)

2011年7月12日

田中貴金属工業とズース・マイクロテックが、サブミクロンサイズ金粒子を用いたパターン転写及び接合技術を共同開発すると発表した。

今回の共同開発では、150℃の低温でサブミクロン金粒子をシリコンウエハに一括でパターン転写できる技術の量産化、ならびに転写基板及び装置の販売を2012 年3月から開始することを目指している。

http://pro.tanaka.co.jp/topics/fileout.html?f=43

http://www.suss.com/jp/company/news/press-center/detail/date/2011/07/12/article/1310448060.html

 

●産業技術総合研究所の長谷川達生ら、インクジェット印刷による有機半導体単結晶薄膜を作製 (Natureより)

2011年7月14日

産総研、長谷川達生らは、有機半導体を溶解させたインクと有機半導体の結晶化を促すインクをミクロ液滴として交互に印刷するダブルショットインクジェット印刷法により、分子レベルで平坦な有機半導体単結晶薄膜の作製する技術を開発した。この技術により、有機薄膜トランジスタの移動度が従来の印刷法による有機薄膜トランジスタの移動度と比較して100倍以上向上した。

http://www.nature.com/nature/journal/v475/n7356/full/nature10313.html

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110714/pr20110714.html

 

●日立化成工業、銀ナノワイヤ導電フィルムを開発 (日立化成プレスリリースより)

2011年7月21日

日立化成工業は、米国のベンチャー企業Cambrios Technologies Corp.と共同開発を進め、同社が開発した銀ナノワイヤ導電インク「クリアオーム(ClearOhm™)」と、当社が培ってきたプリント配線板用感光性フィルムの技術を融合した転写形透明導電フィルムを開発した。このフィルムは高導電性(表面抵抗値:10~250Ω/□)、高い透明性(全光線透過率:85~91%)を有している。現在、サンプル出荷を開始するとともに、2012年9月をめどに月数十万平方メートルの生産体制を整えて量産出荷を開始する予定。

http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2011/n_110721.html

 

●東京大学の川原圭博ら、インクジェット印刷によりレクテナを作製 (EE Times Japanより)

2011年7月21日

東大、川原圭博らは、環境中の電磁波を電力に変換するレクテナ(電磁波から電力に変換するアンテナ)を印刷技術で開発し、

「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20日~22日、東京ビッグサイト)に出展した。

このレクテナは、紙の上に銀インクをインクジェット印刷して作製されており、非常に薄く、低コストで作製可能である。

http://eetimes.jp/ee/articles/1107/20/news107.html

 

 

2011/01/01 No.19-22(2011年1-5月)

 

●中国科学院のJian Xuら、銀ナノ粒子の室温焼結法を開発(Journal of Materials Chemistryより)

2011年1月27日

中国科学院のJian Xuらは、銀ナノ粒子配線を塩化ナトリウムや硫酸マグネシウムなどの電解質溶液に10秒間浸漬させて焼結させる方法を開発した。この方法では、銀ナノ粒子の分散剤が電解質水溶液によって除去され、1Ω以下の低電気抵抗の配線が作製できる。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/c0jm03838e

 

●California Polytechnic State University M. G. Keifら、印刷技術を応用した電子雑誌カバーを作製

(Connected With RICOHより)

2011年2月11日

California Polytechnic State UniversityのM. G. Keifらは、ボタンを押すとデザインが変化する電子雑誌カバーを印刷技術で作製した。雑誌カバーの作製には、NTERA社のエレクトロクロミズム技術、電源にはBlue Spark Technologies社の印刷した電池技術を応用するなど複数の企業の技術を応用している。

http://www.connectwithricoh.com/2011/02/11/introducing-the-world%E2%80%99s-first-interactive-printed-electronic-magazine-cover/#more-307

 

●浦項工科大学校のKiwon Choら、単分子層グラフェン電極を用いた透明でフレキシブルな有機トランジスタを作製(Advanced Materialsより)

2011年2月25日

韓国 浦項工科大学校のKiwon Choらは、蒸着した単分子層グラフェンをポリアリレート基板に転写し、ソース・ドレイン電極として単分子層グラフェンを用いたペンタセン電界効果トランジスタを作製した。この有機トランジスタは、ペンタセンと単分子層グラフェン電極間は接触抵抗が低いため、従来の金属電極を用いたトランジスタよりも良好な特性を示した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201004099/abstract

 

●Nankai UniversityのLu Huangら、インクジェット印刷用のグラフィン酸化物インクを開発(Chemistry and Materials Scienceより)

2011年3月4日

中国Nankai UniversityのLu Huangらは、インクジェット印刷用のグラフェン酸化物を分散させたインクを開発した。Hurangらは、このインクをポリイミド基板にインクジェット印刷し、還元処理を行い、グラフェン配線を作製した。このグラフェン配線は、厳しい曲げ試験を行っても導電率がほとんど変化しなかった。

http://www.springerlink.com/content/910732k68hw52713/

 

●University of Illinois J. A. Rogersら、エラストマー基板上に波形状の伸縮性強誘電体ナノリボンを作製

(ACS NANOより)

2011年3月11日

University of IllinoisのJ. A. Rogersらは、エラストマー基板上に波形状の強誘電体ナノリボンセラミック(チタン酸ジルコン酸鉛)を作製した。この強誘電体ナノリボンセラミックは、大きく変形させて元に戻しても、強誘電性や圧電性が失われなかった

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn200477q

 

●E-INK社、永豊銀行・ミラマーデパートの電子ペーパー広告を作製(E-INK社プレスリリースより)

2011年3月15日

E-INK社は、電子ペーパー技術を用いた電子広告を台湾の永豊銀行・ミラマーデパートに提供した。この電子ペーパー広告は、どんな光照射条件下でも、良好な視認性を有する。

http://www.eink.com/press_releases/eink_ink-in-motion_sinopac_bank_031511.html

 

●台湾成功大学のFranklin Chau-Nan Hongら、アガローススタンプによる銀ナノ粒子インクの直接印刷技術を開発(Nanotechnologyより)

2011年3月17日

台湾成功大学のFranklin Chau-Nan Hongらは、アガローススタンプにより平坦面や構造物上に金属ナノ粒子インクを直接印刷する技術を開発した。従来、金属ナノ粒子インクの直接印刷法としてポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプに金属ナノ粒子インクを塗布し、直接印刷する手法が用いられてきた。しかし、PDMS表面は撥水性でインクをはじくため、インクをスタンプ上に塗布するために親水化処理が必要だった。Hongらは、親水化処理を必要としないアガローススタンプ上に銀ナノ粒子インクを塗布し、平坦面や構造物上にスタンプを押し当て、銀ナノ粒子インクを直接印刷した。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/18/185303

 

●Stanford UniversityのMichael D. McGeheeら、銀ナノワイヤーを裏面電極に用いた色素増感太陽電池を作製(Organic Electronicsより)

2011年3月21日

アメリカ、Stanford UniversityのMichael D. McGeheeらは、銀ナノワイヤーを塗布した裏面電極で固体型色素増感太陽電池を作製した。銀ナノワイヤー裏面電極を用いた色素増感太陽電池は、銀蒸着裏面電極を用いた色素増感太陽電池と比べて反射率は低かったが、変換効率はほぼ同等であった。

http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1566119911000851

 

●台湾アカデミア中央研究センターのSuら、グラフェンストリップの転写印刷技術を開発

(Nanotechnologyより)

2011年3月22日

台湾アカデミア中央研究センターのSuらは、銅ワイヤ上に成長させたグラフェンを、ポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプで基板上へ転写し、グラフェン配線を作製した。銅ワイヤのパターン形状を変えれば、所望の形状のグラフェン配線が得られる。レジストなどの不純物を含まないグラフェン配線が得られるため、今後の精密デバイス作製に期待される。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/18/185309?fromSearchPage=true

 

●四川大学 Q. Fuら、高導電性・高強度なポリマー繊維を開発(Journal of Materials Chemistryより)

2011年3月23日

四川大学のQ. Fuらは、高度に配向させたポリマー(ポリエチレン、ポリプロピレン混合)へカーボンナノチューブで導電性ネットワークを形成し、抵抗率5×10-3Ωcm・強度174MPaという高性能なポリマー繊維・テープを作製した。この性能は、カーボンナノチューブがポリエチレンに選択的に均一分散することで実現できた。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/c0jm04543h

 

●経産省、ナノ材料の安全性評価方法開発(日刊工業新聞より)

2011年3月23日

経済産業省は、2011年度から5年かけてカーボンナノチューブやグラフェンなど、ナノ材料の安全性を評価する方法を開発する。ナノ材料を大きさや形、表面の形状によりグループ分けし、グループ内の物質に一括して適用できる基準と方法を開発する。各国・各機関によって、対象とする物質や試験方法がまちまちな現状を脱し、企業による本格的な産業利用を促す。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820110323aaar.html

 

●FUJIFILM Dimatix社、新たなインクジェットカートリッジを発売開始

(FUJIFILM Dimatix社プレスリリースより)

2011年3月23日

米FUJIFILM Dimatix社は、512個のノズルを備えたインクジェットカートリッジの世界同時発売を開始した。このカートリッジは2つのインクジェットヘッドを備えており、2色の同時印刷が可能である。15~200ピコリットルの液滴が吐出でき、解像度は1000dpiである。

http://www.dimatix.com/news-events/press-releases.asp?display=detail&id=79

 

●Abo Akademi UniversityのRonald Osterbackaら、ペーパーエレクトロニクスに関する総説を発表

(Advanced Materialsより)

2011年3月23日

フィンランドAbo Akademi UniversityのRonald Osterbackaらは、紙基板上に電子デバイスを作製するペーパーエレクトロニクスに関する総説を発表した。紙はプラスチックに比べて表面が粗く、多孔質であるため、紙基板上に電子デバイスを直接作製することは難しい。この総説では、これらの課題を解決する試みの可能性と進展について紹介している。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201004692/abstract

 

●凸版印刷社、従来の10倍の電子移動度を持つ透明酸化物半導体薄膜トランジスタを開発

(日刊工業新聞より)

2011年3月25日

凸版印刷社は、次世代のディスプレイ材料とされる透明酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを開発した。この透明酸化物半導体は塗布方式で膜を作製しており、従来の製品より10倍の電子移動度を備えている。高精細で画面サイズが80型を超す液晶表示装置や有機ELディスプレイへの適用が見込まれる。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820110325aaar.html

 

●滋賀大学のBalachandran Jeyadevanら、ヒドロキシイオンアルコール還元法により銅ナノ粒子を作製

(Journal of Materials Chemistryより)

2011年3月26日

滋賀大学のBalachandran Jeyadevanらは、ヒドロキシイオンで補助したアルコール還元法を用いて、平均粒径10.5nmの銅ナノ粒子を合成した。合成した銅ナノ粒子は、分散剤を吸着させて、酸化を防ぐ必要がある。銅ナノ粒子配線は、窒素と真空雰囲気で250℃加熱するとそれぞれ26μΩcmと35μΩcmの体積抵抗率を示した。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/c0jm04470a

 

●産総研、人体の動きを測定できるカーボンナノチューブひずみセンサーを開発

(産総研プレスリリースより)

2011年3月28日

産総研の山田らは、配向した単層カーボンナノチューブの薄膜を伸縮性のある高分子基板の上に貼り付け、CNT膜の電気抵抗変化によってひずみを検出できるひずみセンサーを開発した。このCNTひずみセンサーは従来の金属製ひずみセンサーの約50倍となる280%の大きさのひずみまで検出可能である。詳細は、Nature Nanotechnologyに掲載されている。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110328/pr20110328.html

http://www.nature.com/nnano/journal/vaop/ncurrent/abs/nnano.2011.36.html

 

●University of UllongongのGordon G. Wallaceら、ポリピロール繊維を湿式紡糸で作製

(Journal of Materials Chemistryより)

2011年3月29日

豪University of UllongongのGordon G. Wallaceらは、アルギン酸とポリピロールを複合化した導電性ファイバーを湿式紡糸法で作製した。また、このファイバーにカーボンナノチューブを加えたものは機械特性や導電性が上昇した。その上昇率は、引張強度が78%、伸長限界が25%、ヤング率が30%、導電性が500%だった。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/C0JM04406G

 

●パナソニック電工と出光興産が照明用有機ELパネル事業合弁会社を設立

(パナソニック電工プレスリリースより)

2011年3月29日

パナソニック電工株式会社は、出光興産株式会社と有機EL事業で2011年4月中旬ごろに合弁会社を設立する。出光の優れた有機EL材料とパナソニック電工の製造技術を組み合わせ、高品質な有機ELパネルの製造を目指す。

http://panasonic-denko.co.jp/corp/news/1103/1103-13.pdf

 

●日本写真印刷、金属ナノワイヤーを用いたタッチセンサーフィルムの量産を開始

(日本写真印刷プレスリリースより)

2011年3月30日

日本写真印刷株式会社は、金属ナノワイヤーを用いたタッチセンサーフィルムの量産を開始した。このフィルムは、米Synaptics, Inc.の静電容量方式タッチセンサーシステムに採用されており、主要なスマートフォンに搭載される。なお、本技術では、米Camcrios Technologies Corp.が開発した金属ナノワイヤーを使用した。

http://www.nissha.co.jp/news/2011/03/news-558.html

 

●CSIRのGoutam Deら、アルミナゾル中で様々な形状の銀ナノ粒子を合成

(Journal of Materials Chemistryより)

2011年3月30日

インド、Council of Scientific and Industrial ResearchのGoutam Deらは、硝酸銀の還元を利用し、アルミニウムtri-sec-butoxide溶液(アルミナゾル)中で銀ナノ粒子を合成した。アルミナゾル中のポリビニルピロリドンは、銀ナノ粒子の凝集を防ぐ役目と銀ナノ粒子の形状を制御する役目を果たした。ポリビニルピロリドンの添加量を変化させると、銀ナノ粒子の形状が球形や六角形、三角形などへ変化した。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/c0jm03743e

 

●Intrinsiq Materials、スクリーン印刷用の光硬化型銅インクを開発

(IntrinsiqMaterialsプレスリリースより)

2011年4月1日

英Intrinsiq Materials社は、フレキシブルデバイス用の銅インクを開発した。開発した銅インクは、銅含有量が80wt%であり、室温大気中で光硬化すると市販の銀ペーストと同等の性能をもった金属配線となる。量産時期は、2011年後半である。

http://www.intrinsiqmaterials.com/News.html

 

●JSR、実用温度260℃以上の光学等方性透明フィルムを開発(JSRニュースリリースより)

2011年4月4日

JSRは、実用温度260℃以上の耐熱性を持つ超耐熱光学等方性透明フィルム「LUCERA(ルセラ)」を開発した。「LUCERA」は、高透明性、光学等方性、高屈折率、ハンダリフロー耐熱性、低熱収縮性、低誘電・低誘電正接、低吸水性、難燃性などを兼ね備えており、タッチパネルや有機ELへの応用が期待される。

http://www.jsr.co.jp/news/2011/news110404.shtml

 

●Hebrew UniversityのShlomo Magdassiら、銀ナノ粒子の常温焼結法を開発(ACS NANOより)

2011年4月5日

イスラエル Hebrew UniversityのShlomo Magdassiらは、銀ナノ粒子表面に吸着している分散剤を塩化物イオンで取り除く、銀ナノ粒子の常温焼結法を開発した。この方法で作製した銀ナノ粒子配線は、バルク銀の41%の導電率を示し、これまでの常温焼結法の中では、最も高い導電性を示した。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2005848

 

●Sun Yat-Sen UniversityのZhong Lin Wangら、カーボンナノ粒子を用いて自己洗浄性を有するフレキシブルな赤外線センサーを作製(ACS NANOより)

2011年4月5日

中国、Sun Yat-Sen UniversityのZhong Lin Wangらは、カーボンナノ粒子を用いて、高感度で応答速度の速いフレキシブルな赤外線センサーを作製した。この赤外線センサーは、水との接触角が150°以上・滑落角が4%以下であるため、自己洗浄効果を有している。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn200571q

 

●東レフィルム加工、銀ナノワイヤーを用いた透明導電フィルムを開発(東レプレスリリースより)

2011年4月8日

東レフィルム加工株式会社は、全光線透過率90%以上、シート抵抗150~250Ω/□の自然な色調と耐久性、加工性を備える銀ナノワイヤー透明導電フィルムを開発した。この透明導電フィルムは、ウェットコーティング法で世界最高レベルの透明性と導電性、および優れたフレキシブル性を有している。2011年下期に量産開始を目指している。また、米Cambrios Technologies Corp.の銀ナノワイヤーインク技術を使用している。

http://www.toray.co.jp/news/film/nr110408.html

 

●昭和電工、導電性インクの製造・販売・開発で米国ベンチャーと提携(昭和電工プレスリリースより)

2011年4月11日

今後成長が見込まれるプリンテッドエレクトロ二クス分野において、昭和電工株式会社は、米NovaCentrix社と提携した。NovaCentrix社が開発した導電性インクを昭和電工が製造・販売するライセンス契約に加え、NovaCentrix社の光焼成技術に対応した導電性インク等の開発を共同で実施する。NovaCentrix社の光焼成技術は、可視光ランプによる高速焼結により温度上昇を抑えられる技術である。そのため、熱に弱いプラスチック基板を使用することができる。

http://www.sdk.co.jp/news/2011/12369.html

 

●香港理工大学のSongmin Shangら、高伸長性能の導電性ナノコンポジットを作製(Journal of Materials Chemistryより)

2011年4月12日

香港理工大学のSongmin Shangらは、イオン液体を用いて多層カーボンナノチューブをポリウレタン中に分散させ、高伸縮性の導電性ナノコンポジットを作製した。この導電性ナノコンポジットは、2倍に延伸しても高い導電性を保つ。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/C1JM10255A

 

●三菱化学、世界初の調色/調光型有機EL照明VELVEを発売(三菱化学プレスリリースより)

2011年4月12日

三菱化学は、調色/調光型有機EL照明パネル「VELVE(ヴェルヴ)」を発売する。パネルサイズは世界最大級の約14cmX14cmであり、発光効率は28lm/W、輝度は1000cd/m^2である。欧米や日本、アジアパシッフィクで、4月下旬からサンプルキットを、7月下旬から光源モジュールを販売する。上付き。

http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2011/20110412-1.pdf

 

●凸版印刷と台湾・Chi Lin、産業分野向け電子ペーパー事業で協業 (凸版印刷プレスリリースより)

2011年4月13日

凸版印刷と台湾Chimeiグループの中核企業であるChi Lin Technologyは、電子棚札や電子ラベルなど産業分野向け電子ペーパー事業に関して協業した。凸版印刷は、Chi Linが製造する産業分野向け電子ペーパーディスプレイを2011年5月より日本市場へ販売開始する。

http://www.toppan.co.jp/news/newsrelease1198.html

 

●Holst Centre、フレキシブルエレクトロニクス分野でHenkelと提携(Holst Centreプレスリリースより)

2011年4月14日

ベルギーのimecとオランダのTNOが中心となっているHolst Centreは、フレキシブルエレクトロニクスの分野でHenkelと提携した。Henkelの接着剤技術を用いて、大面積フレキシブル有機太陽電池と有機EL照明の開発を進める。

http://www.holstcentre.com/en/NewsPress/PressList/Henkel.aspx

 

●Joanneum Research のBarbara Stadloberら、強誘電体アクティブ・マトリックスセンサーを印刷技術のみで作製(Advanced Materialsより)

2011年4月14日

オーストリア、 Joanneum Research のBarbara Stadloberらは、5種の機能性インクから印刷技術のみで強誘電体アクティブ・マトリックスセンサーを作製した。そして、このセンサーを集積化し、非接触入力インターフェースを開発した。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100054/abstract

 

●Carnegie Mellon UniversityのMohammad F. Islamら、単層カーボンナノチューブのエアロゲルで伸縮性導体を開発 (Advanced Materialsより)

2011年4月15日

アメリカ、Carnegie Mellon UniversityのMohammad F. Islamらは、単層カーボンナノチューブのエアロゲルをpolydimethylsiloxaneのエラストマーに埋め込み、伸縮性導体を開発した。この伸縮性導体に引張や曲げの変形を与えても、抵抗値変化がほとんどなかった。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100310/abstract

 

●Seashell Technology、銀ナノワイヤー関連の特許を発表(Seashell Technologyプレスリリースより)

2011年4月18日

アメリカ、Seashell Technologyは、商業的に銀ナノワイヤーを製造するための米国特許を取得した。米特許名称は“Methods for the production of silver nanowires”、米国特許番号は“7,922,787,”である。

http://www.seashelltech.com/pressRelease_AgNW-Patent.shtml

 

●Konkuk UniversityのJae Whan Choら、誘電率をチューニングできる透明な伸縮性誘電体を開発(Journal of Materials Chemistryより)

2011年4月18日

韓国、Konkuk UniversityのJae Whan Choらは、ポリウレタンとSWNTsをナノコンポジット化し、誘電率をチューニングできる透明な伸縮性誘電体を開発した。誘電体を作製する際にCNTの表面改質を必要としないため、誘電体本来の電気特性や機械特性が維持されていた。

http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2011/JM/c1jm10225g

 

●Swansea UniversityのDavid Worsleyら、銀ナノ粒子インクを近赤外線照射で焼結

(Journal of Materials Chemistryより)

2011年4月19日

イギリス、Swansea UniversityのDavid Worsleyらは、プラスチック基板上にスロットダイコーティングした銀ナノ粒子インクを、近赤外線照射で焼結した。約2秒間の照射で作製された配線は、140℃で10分間加熱された配線と同程度の抵抗値である。この方法は短時間で配線を作製できるため、roll to rollプロセスの短時間化に貢献できる。

http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2011/JM/C1JM10630A

 

●大日本印刷、薄型電子部品の製造に使用する耐熱性粘着フィルムを開発(大日本印刷プレスリリースより)

2011年4月20日

大日本印刷は、薄型電子部品の製造工程で使用される耐熱性の粘着フィルム2種を開発した。一つは、加熱後でも紫外線を照射することで容易に剥がせる「UV剥離タイプ」であり、もう一つは、UV照射不要で電子部品の不具合の原因となるシロキサンガスを発生しない「微粘着タイプ」である。これらのフィルムは2011年7月より販売される。

http://www.dnp.co.jp/news/1233039_2482.html

 

●University of Southern CaliforniaのChongwu Zhouら、スプレー塗布で銀ナノワイヤーパターン透明導電膜を作製(Nanotechnologyより)

2011年4月20日

アメリカ、University of Southern CaliforniaのChongwu Zhouらは、PDMSスタンプにスプレー塗布した大面積の銀ナノワイヤーパターンをPET基板に転写し、フレキシブルな透明導電膜を作製した。この銀ナノワイヤー透明導電膜でタッチパネルも試作した。

http://iopscience.iop.org/0957-4484/22/24/245201/?rss=1.0

 

●Jilin UniversityのLifeng Chiら、導電性ポリマーのパターニングに関する総説を発表(Smallより)

2011年4月20日

中国、Jilin UniversityのLifeng Chiらは、導電性ポリマーのパターニングに関して、ナノスケール化に向けた総説を発表した。デバイスの集積化へ向け、直接的な描写法やエッチング法、化学処理法など、微細化へ向けたパターニングの研究が行われており、それらの研究を紹介している。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201002356/abstract

 

●PlextronicsとUniversal Display、低動作電圧で長寿命な有機EL素子を開発

(Plextronics、Universal Displayのプレスリリースより)

2011年4月21日

アメリカ、Universal Displayは、独自の低コスト有機EL技術(P2OLED湿式プロセス)にリン光性有機ELインクを取り入れ、低動作電圧で長寿命な有機EL素子を開発した。リン光性有機ELインクは、PlextronicsからUniversal Displayへの提供品(Plexcore OC NQインク)である。

http://www.plextronics.com/press_detail.aspx?PressReleaseID=121

http://www.universaldisplay.com/downloads/Press%20Releases/2011/PANL_IDMC%20Release_FINAL.pdf

 

●石原薬品、光で短時間焼成できる銅ナノインクを開発(石原薬品プレスリリースより)

2011年4月21日

石原薬品は、室温・大気圧雰囲気下で1秒以下の短時間で光焼成できる銅ナノインクを開発した。銅ナノインクをインクジェット技術等で印刷後、特定の波長光で焼成させると、2-8μΩcmの体積抵抗率を得た。

http://www.unicon.co.jp/ir/pdf/press-h23_04_21.pdf

http://www.unicon.co.jp/report/2011/data/20110426.pdf

 

●Georgia Institute of TechnologyのManos M. Tentzerisら、紙基板上インクジェット印刷アンテナの信頼性を評価(IEEE Antennas and Wireless Propagation Lettersより)

2011年4月22日

アメリカ、Georgia Institute of TechnologyのManos M. Tentzerisらは、紙基板上にインクジェット印刷した超広帯域アンテナの特性を評価した。アンテナの指向性は、最大10 GHzでも80%の効率を保っていた。

http://ieeexplore.ieee.org/xpls/abs_all.jsp?arnumber=5688435

 

●Iowa State UniversityのKristen Constantら、高透明性と低抵抗のトレードオフを回避した新構造の透明導電膜を作製(Advanced Materialsより)

2011年4月26日

アメリカ、Iowa State UniversityのKristen Constantらは、高アスペクト比のナノサイズパターンを形成し、透明導電膜を作製した。この透明導電膜は、ガラス基板上にITOを形成した透明導電膜より、透過率と導電性が高い。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201100419/abstract

 

●Innovalight、太陽電池向け素材の販売代理店として丸紅と契約 (Innovalightプレスリリースより)

2011年4月27日

アメリカ、Innovalightは、太陽電池のエネルギー変換効率を向上できる「シリコンインク」で、日本の販売代理店として丸紅と契約した。シリコンインクは、太陽電池の発電素子に塗ることで、変換効率を向上させる。

http://www.innovalight.com/press_releases/marubeni.htm

 

●桜井グラフィックシステムズ、シリンダー式スクリーン印刷で新技術を開発(日刊工業新聞より)

2011年4月28日

桜井グラフィックシステムズは、シリンダー式スクリーン印刷で、精密な電子部品を製造する新技術を開発した。A4サイズで線幅50μmの印刷物の場合、寸法誤差は±10μmである。従来に比べて同20~30μm改善し、新技術を適用できる後付け装置を開発した。同社の工業用精密印刷機2機種のオプションとして受注を始めた。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120110428baaf.html

 

●広島大の矢吹ら、銅-アミン錯体を低温で分解させ、銅薄膜を作製(ThinSolidFilmsより)

2011年4月29日

広島大学の矢吹らは、ギ酸銅とn-オクチルアミンの錯体を窒素雰囲気下で低温分解させ、銅薄膜を作製した。錯体は、110 ˚C以上の加熱で導通し始め、140˚C加熱で2×10^-5 Ωcmの低抵抗体となる。

http://dx.doi.org/10.1016/j.tsf.2011.04.112

 

●三菱化学とパイオニア、塗布型有機ELで世界最高レベルの発光効率と寿命を達成

(三菱化学、パイオニアプレスリリースより)

2011年5月10日

三菱化学とパイオニアは、発光層を塗布プロセスで成膜した有機EL素子で、世界最高水準の発光効率と寿命を達成した。発光効率 は52 lm/Wであり、 輝度半減寿命 は2万時間である。

http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2011/20110510-1.html

http://pioneer.jp/press/2011/pdf/0510-1.pdf

 

 

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